初戦突破の刈谷・前田監督は甲子園出場時のOB 「松坂世代」を支えたOGの森山部長とチームを支える

[ 2021年7月4日 13:00 ]

全国高校野球選手権愛知大会1回戦   刈谷10ー0瑞陵(5回コールド) ( 2021年7月4日    春日井 )

<刈谷・瑞陵>野球部を支える刈谷・森山怜子部長
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 刈谷が快勝し、2回戦へ駒を進めた。先発の最速150キロ右腕・遠藤泰介は4回1安打無失点とほぼ完璧な投球。打線も3回までに10点を奪って試合を決めた。同校を支えるのは史上“唯一”の男と、松坂世代の元マネジャーだ。

 今年4月から監督、部長がともに交代。これまで同校唯一の甲子園出場となっている78年春、津田恒実(元広島)擁する南陽工に1―3で1回戦敗退している。その1得点のホームを踏んだのが前田英伸監督だ。還暦にして、母校で監督を務めるのは初めて。聖地を知る指揮官は記念すべき1勝に「私は運がいいだけ。選手が自分たちで考えた結果。ストライクとボールをよく見極められていた」と教え子たちを称えた。

 将の右腕となったのは森山怜子部長。高校時代は同校でマネジャーを務め、3年生だった98年夏は甲子園に出場した豊田大谷に敗れ、8強で夏を終えた。「母校を愛しすぎて(笑い)。感慨深いです。技術を教えることはできないですが、メンタル面でサポートできることはたくさんある」と話す。前任校の安城南でも部長を務め、20年度から県高野連の女性初の理事にも就任するなど経験は豊富。野球への愛情は、男性と同じかそれ以上だ。

 同校は09年夏に県大会準Vを果たすなど、県下屈指の偏差値だけではなく野球の実力も公立校の中ではトップクラスでも、夏の聖地に立った経験がない。今秋ドラフト候補の最速150キロ右腕・遠藤泰介を擁し、強力なOB・OGも現場の最前線に加わった今夏。私学4強撃破の旗頭としての高い期待を背に、夢を実現させる。

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2021年7月4日のニュース