西武・平良 プロ野球記録タイの開幕31試合連続無失点 力で抑える投球から進化のスタイルチェンジ

[ 2021年6月11日 05:30 ]

交流戦   西武5-3DeNA ( 2021年6月10日    メットライフD )

<西・D>開幕から31試合連続無失点の記録に並び笑顔を見せる平良(撮影・尾崎 有希)
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 わずか13球、5分でDeNA打線を料理した西武・平良は、捕手の森に肩をもまれ、笑みをこぼした。

 「抑えたら(記念の)花をもらえると聞いていたので、意識しました」

 大記録達成にもあっけらかん。圧倒的なマウンドさばきとのギャップが右腕の存在感をより際立たせる。2点リードの9回にマウンドへ。1死から桑原に左前打を浴びたが、続く伊藤光を冷静に二ゴロ併殺に仕留め、中日・田島の持つ、開幕から31試合連続無失点のプロ野球記録に肩を並べた。

 沖縄・石垣島で育った少年時代から剛腕だった。「元々、投げる力はあった」と小学6年のソフトボール投げでは、63メートルを記録。同学年平均26・64メートル(令和2年文科省公表)を大きく上回る、学校で一番の「飛ばし屋」だった。中学時代には、最速133キロを計測した。

 最大の武器は直球。だが、プロ4年目で進化を遂げている。直球の割合は、一昨年の65%をピークに昨季は55%、今季は37%にまで減少。代わりに倍近く割合が増えたのが、130キロ台のチェンジアップだ。昨年までほとんど投げなかったが、キャッチボールや遠投で感覚を磨き、この日も先頭の関根を左飛に仕留めた。最速160キロを駆使し力で抑え込む投球から、緩急で的を絞らせない投球へのシフトチェンジ。「自信がある球は真っすぐ以外です」と言い切るほど精度を高めた。

 大記録の5セーブ目を挙げたウイニングボール。今季初勝利の内海へ手渡し「自分の初勝利のボールも、どこにいったか分からない。すぐになくすと思うので僕は大丈夫です」と笑った。辻監督は「そう甘いものじゃないけど、監督としては、今シーズンが終わるまで続けてほしい」と期待した。「平良無双」の終着点は、まだ見えそうにない。(花里 雄太)

 ≪開幕に限らなければ球児の38試合が最長≫平良(西)が、開幕から31試合連続無失点で2リーグ制後のプロ野球記録に並んだ。開幕に限らない連続試合無失点記録は06年藤川球児(神)の38試合、パの最長は03年豊田清(西)14年比嘉幹貴(オ)の34試合となっている。

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2021年6月11日のニュース