広島・栗林 イニングまたぎ救援「試合前から“今日は8回から行く準備を”と言われていた」

[ 2021年5月9日 05:30 ]

セ・リーグ   広島4ー3中日 ( 2021年5月8日    バンテリンD )

<中・広(7)>8回、1死満塁のピンチでマウンドに上がる広島・栗林(撮影・椎名 航)
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 広島・栗林良吏投手(24)が8日の中日戦で1回2/3を無失点に抑える好救援を演じ、1分けを含む6連敗中だったチームを救った。1点優勢の8回1死満塁で登板し、プロ初の回またぎもこなす奮闘。デビューから15試合連続無失点へ伸ばし、ヤクルト・石山と並ぶリーグトップの9セーブ目を挙げ、4位浮上を呼んだ。

 激闘を終え、思わず吐露した佐々岡監督の一言が全てを言い表していた。「栗林がおって良かった…」。6連敗中の重苦しさそのままに、継投策は思い通りに進まなかった。そんな窮地を栗林が一人で救った。

 4―3の8回、今季初の回またぎに向かった3番手・塹江が3連続四球を与えたところで登板した。15試合目にして初の8回からの登板が1死満塁の絶体絶命。加えて、走者を三塁に背負ったことすら初めてだった。この暴投や捕逸も許されない状況でも勝負球を信頼した。代打・井領に対して4球連続でフォークを選択。カウント1―2から投ゴロ併殺に抑えると、笑顔で三塁ベンチに戻った。

 「1点も取られてはいけない場面。外野フライもダメ。内野ゴロか三振か…という中だったのでフォークをチョイスした」

 一難去ってまた一難。プロ初の回またぎとなった9回は先頭・大島に右前打を許し、バントに構えた京田には4球連続ボールで四球を与えた。この四球を生かせる冷静さを持っている。「直球がボールになっていた」。それまで1球も投じていなかったカーブに活路を見いだした。

 一、二塁から再びバントに構える滝野にカーブを続けて見逃し三振を奪い、ビシエドには5球連続フォークで空振り三振。高橋周には初球にカーブ、2球目からフォークを連投し、二ゴロで切り抜けた。23球はプロ最多。笑顔を浮かべる余裕もないほどに力を出し切った。

 「試合前から“今日は8回から行く準備を”と言われていたので準備もできた。いつも通り普通に入れた」

 開幕から35試合目で早くも新人守護神の「回またぎ」を解禁。佐々岡監督にとっても苦渋の決断だった。「あまりこういう手は使いたくないけど、いまのチーム状況で2連戦ということもあった」。栗林に負担をかけてまで、連敗阻止を目指した一戦だったのだ。

 「ただただチームの勝利に向かって投げるだけ。今日もそうですけど、どんな場面で回ってくるか分からない。チームが負けないように戦っていきたい」。信頼を得た者だけが味わえる疲労感だった。(河合 洋介)

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