足だけじゃない…中大の“いだてん”五十幡の鋭いスイングの裏に恩師からの教え

[ 2020年9月26日 09:00 ]

中大の五十幡
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 10月26日のドラフト会議に向け、大学生にとっては最後のアピールの場ともなる秋季リーグ戦が各地でスタートしている。

 東都大学野球も9月22日に1部が開幕。開幕戦は中大―東洋大の顔合わせとなった。東洋大の村上頌樹投手と中大の右の強打者・牧秀悟内野手、韋駄天(いだてん)・五十幡亮汰外野手の対決が注目された。

 村上が右前腕の張りで4回投げ終わって降板したのは予想外のアクシデントだった。

 一方でインパクトを残したのは五十幡の打撃だ。「サニブラウンに勝った男」として有名な強烈な俊足は高校時代から注目されていた。「俊足選手というのはどの球団の監督も戦力としてぜひ欲しいだろう」とあるスカウト。守備範囲の広さに加え、強肩もある。あとは昨年に比べて上がってきていると評価されていた打力が公式戦の場でどう発揮されるか――スカウトの注目点の一つだった。

 初回に村上の直球を力強く叩いた打球は強烈なライナーで遊撃手のグラブをはじき出塁(記録は失策)。再三けん制を受けながら盗塁を決めた。8回も逆方向となる左前打を放つと、2つ目の盗塁を決めた。ネット裏で視察していたヤクルトの小川淳司GMは「確実にミート力が上がっている。これは(1位候補の)12人に入ってくるなあ…」と思わず、うなった。

 確かにスイングが格段に鋭くなっていると感じた。相当練習してきたことが伺えた。試合後に納得がいった。8月に94歳で亡くなった宮井勝成総監督から入学時に受けた助言。「君には素晴らしい足があるが、当てにいく打撃はダメ。一球一球しっかりとスイングしなさい」。その教えを愚直に守っていた。

 一般論からいけば、足を生かした出塁を目指すことが優先とされそうなものだが、王貞治・現ソフトバンク球団会長を始め、数々の名プレーヤーを育てた名将の金言は、目先の結果にとらわれないものだった。それがしっかりと五十幡の中に生きていたように思う。

 この秋は五十幡の足だけでなく打棒にも注目したい。(記者コラム・松井 いつき)

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