大阪桐蔭・仲三河“聖地”最初で最後の打席で安打 強い思いを形に

[ 2020年8月17日 13:56 ]

2020年甲子園交流試合最終日第1試合   大阪桐蔭4―2東海大相模 ( 2020年8月17日    甲子園 )

<高校野球交流試合 大阪桐蔭・東海大相模> 7回無死、大阪桐蔭・仲三河は左前打を放つ (撮影・後藤 大輝)
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 逆転勝利への突破口を鮮やかに開いた。新チームからずっと絶対王者の4番として君臨してきた男の、この夏の、聖地での最初で最後の打席。大阪桐蔭・仲三河優太(3年)が7回先頭、代打で出場。5球目の136キロ直球を逆らわず左前へ運び、代走が送られた。

 「どんな形でも、先頭で出塁したい思いは強かった。どれだけ1打席の重みが大きいか、よくわかりました」

 代替大会初戦の2回戦直前、ウエートトレーニング中に誤ってバーベルを落下。右足親指に直撃し、骨に異常はなかったが打撲を負った。最後の大阪大会でよもやのベンチ外。中学時代はU15日本代表に選ばれるなどエリート街道を歩んできた主砲にとって、最上級生となってスタンドから仲間に声援を送る経験など、皆無に等しかった。だからこそ、強くした思いがある。

 「何が何でもチームに貢献したい。チームが勝てばそれでいい。裏方に回っても、そのために100%の準備をするだけ」

 聖地での出番は「あっても1打席」と言われていたが、この日朝の打撃練習では感覚を取り戻すべく必死に振り込み、最高の準備をして臨んだ。入学直後の2018年に根尾(現中日)ら先輩が春夏連覇を達成したのをスタンドから応援。「いつかこの球場でプレーしたい」という強い思いを最後の最後にかなえ、同じように勝って高校野球を終えることもできた。試合後にはプロ志望届を出すことを明言。濃密で貴重な一瞬の夏を糧にして、“2本目”以降は次のステージで打ちまくる。

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