マー君 “最速打球”が頭部直撃 CT異常なしも後遺症不安…開幕ピンチ

[ 2020年7月6日 02:30 ]

頭部に打球を受けマウンドに倒れ込むヤンキースの田中(AP)
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 ヤンキースの田中将大投手(31)が4日(日本時間5日)、打球がライナーで右側頭部を直撃するアクシデントに見舞われた。ヤンキースタジアムでのキャンプ再開初日でシート打撃に登板したが、ジアンカルロ・スタントン外野手(30)の打球を受けた。CTなどの検査で異常は見つからなかったが、調整遅れは避けられず、7月23日か24日(同24日か25日)の開幕から先発ローテーション入りすることは厳しい状況だ。

 ヤンキースタジアムに衝撃が走った。田中は両手を上げ、首をひねったが、メジャー最高の打球速度を誇るスタントンの放った弾丸ライナーをよけきれるはずがない。打球は右側頭部を直撃し、鈍い音を立てて上空に跳ねた。田中はそのままマウンド上に倒れ込む。カイル・ヒガシオカ捕手、トレーナー陣が駆け寄ったあともしばらく動けなかった。

 田中はブルペンで25球を投げた後、シミュレーテッド・ゲーム(シート打撃)のマウンドへ。今春まではノーワインドアップで投げていたが、ワインドアップから速球、変化球を投げ分け、トーレスを二直、ジャッジを一邪飛、アーロン・ヒックスを一飛と打ち取ったが、16球目にアクシデントは起きた。約5分後に起き上がった田中はトレーナー2人に支えられながら自力で歩きクラブハウスへ消えたが、2階にある記者席からスマートフォンを使って写真やビデオを撮影するメディアに、主砲アーロン・ジャッジが「撮るな」としぐさをする場面もあるなど騒然となった。

 球団はCT検査では異常は見られず、田中の意識ははっきりしており、会話ができ、自力で歩くこともできる状態だとし、ニューヨーク市内の病院でさらなる検査を受けると発表した。田中はツイッターに「患部に痛みはありますが、それ以外は元気です。できるだけ早く、またマウンドに上がれるように頑張っていきたいと思います」とつづった。

 マウンドの前にL字形の防球ネット、通称「Lスクリーン」は置かれなかった。アーロン・ブーン監督は「(ネットを置くかは)投手が選択する。マサは望まなかったんだ」と説明した。7月23日か24日の開幕を目指し、少ない調整期間で再開初日から実戦形式の練習を行わなければいけない状況も重なった。

 今後は大リーグ機構(MLB)が定めた脳振とうの復帰プログラムに沿ってリハビリを行うが、3週間後の開幕へ調整を急がせることはできない。メジャー1年目から昨季まで6年連続で2桁勝利を挙げてきた田中は今年が7年契約最終年。新型コロナウイルスにより異例の60試合制となるシーズンへの影響が懸念される。(杉浦大介通信員)

 ≪怖い“セカンドインパクト≫大リーグは11年に脳振とうの疑いがある場合に限定した、従来より短い7日間の故障者リスト(現負傷者リスト)を新設。軽度でも後で重症化するケースがあり、短期間で反復された脳振とう(セカンドインパクト)はリスクが高いことから、最低1週間程度の復帰プログラムが設けられており、復帰は専門医の判断を仰ぐ。

 ≪スタントン 17年に196キロ超記録≫17年のマーリンズ時代に59本塁打、132打点で2冠王とナ・リーグMVPに輝いたスタントンは、メジャー屈指の大砲だ。動作解析システム「スタットキャスト」が導入された15年以降、昨季まで5年連続で30球団トップの打球速度をマークしており、最速は17年の122.2マイル(約196.6キロ)。昨季は右上腕部などの故障により18試合の出場にとどまったが、メジャー通算10年で308本塁打を放っている。

 ▼アーロン・ジャッジ外野手(自身のSNSを通じ)球場で傷ついた誰かを撮ってズームインし続ける人の隣に私は座ることはできない。田中のために祈ってください。

 ▼ジョーダン・モンゴメリー投手(田中降板後にシート打撃に登板)恐ろしいことだ。彼の無事を願っている。(防球ネットを使用し)置くつもりはなかったけど、あれを見たら怖くなった。

 ▼アーロン・ヒックス外野手 フィールドでは何が起こるか分からない。彼にあんなことが起こったのは残念なことだ。

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