マー君打球直撃 コロナ禍“異例調整”被害者に 怖い後遺症…医師は「1カ月は様子見るべき」

[ 2020年7月6日 02:30 ]

対戦形式の練習で打球を頭部に受け、医療スタッフらに状態の確認を受けるヤンキース・田中
Photo By ゲッティ=共同

 大リーグ各球団は開幕に向け、急ピッチでの調整を余儀なくされる。しかも日本プロ野球とは異なり、全体練習も3月12日(日本時間13日)にキャンプが中止となって以来。約4カ月ぶりでも即実戦練習を行わなければいけない状況にあった。投手集合日から1週間ほど遅れて野手が合流する春季キャンプと違う。さらに、打者が仕上がりの早い投手の球に徐々に慣れていく過程もなかった。

 開幕に間に合わせるためにカブス・ダルビッシュも同じ日に実戦登板した。ツインズの前田も6日(日本時間7日)に打者相手に3イニングを投げる予定だ。防球ネットを置くかは投手の判断に委ねられるというが、「異例の調整」の中でアクシデントを避ける用心深さの不足を指摘する米メディアもある。

 ドジャース時代の09年に頭部に打球を受けた黒田博樹氏はヤンキース移籍後も後遺症による首の張りに悩まされ、痛みで捕手が見られないこともあったという。田中は精密検査の結果、現時点では異常が見つからなかったというが、時間が経過してから異常が見つかることもある。米スポーツでは、脳振とうに関する理解は進んでいるが、60試合制という中で、復帰を急がせることだけは避けなければならない。(MLB担当・柳原 直之)

 ▼福田医院(横浜市)福田伴男院長 打球が直撃した側頭部付近は非常に弱く、いくら頑丈なアスリートでも衝撃で毛細血管が切れている可能性がある。今回の精密検査で脳内に出血などが見当たらなかったとしても、2、3日後、1週間後、半月後、1カ月後と検査した方がいい。側頭部の右側に打球が直撃したため左側が圧迫され、左半身に何らかのしびれが出ることもある。側頭部付近には「三叉(さんさ)神経」という脳神経があり、顔面麻痺(まひ)なども心配。眼球や耳に異変はないだろうかなど、1カ月は様子を見ないといけない。

 ◇メジャー日本選手の頭部への打球直撃&投球直撃

 ☆石井一久(ドジャース) 02年9月8日、本拠地ドジャースタジアムでのアストロズ戦。4回にハンターの放ったライナーが左前頭部を直撃。意識はあったが担架に乗せられ、救急車で病院へ。検査で頭蓋骨の亀裂と鼻骨の骨折が判明し、骨片除去の手術。そのまま同年シーズンを終えた。

 ☆黒田博樹(ドジャース) 09年8月15日の敵地ダイヤモンドバックス戦。6回にライアルの打球が右側頭部を直撃。首などを器具で固定しアリゾナ州フェニックス市内の病院へ直行。骨などに異常はなかったが、9月6日パドレス戦先発復帰まで3週間を要した。

 ☆青木宣親(ジャイアンツ) 15年8月9日のカブス戦で右腕アリエッタの92マイル(約148キロ)直球が右側頭部を直撃。同12日に復帰したが、脳振とうの症状が出たために途中交代。翌日に7日間のDL(現IL)入り。同20日に復帰も、再び脳振とうの症状を訴え、9月3日でシーズンを終えた。

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