長嶋氏 原監督を祝福「コーチだった彼にこっそり指揮を執らせ実戦経験を積ませた」

[ 2020年7月5日 05:30 ]

巨人・原監督 長嶋監督に並ぶ1034勝

1999年、味方の打線に驚く長嶋監督(右)と原コーチ
Photo By スポニチ

【長嶋茂雄氏 巨人・原監督を祝福】

 原監督の指揮官としての力量を考えれば、驚くことではないと思います。むしろ私がそんなに勝利数を残していたことに驚きました。

 原監督とは、私が2度目の監督に就任した際、現役で3年間、コーチとして3年間、共にジャイアンツを支えましたが、果たして彼の役に立てたかどうかは甚だ疑問です。ただ「自分の後は原しかいない」「将来のジャイアンツ魂を受け継ぐことができるのは原しかいない」と考え、2001年の後半戦から最終戦までヘッドコーチだった彼に、こっそり指揮を執らせ、実戦経験を積ませたことは、私の心の中でのひそかな自慢となっています。

 原監督の采配の最も優れているところは、攻めるところは徹底的に攻め、守るところは徹底的に守るという姿勢です。メリハリがあるということです。実はこれはとても大切な概念で、物事に緩急や強弱をつけることは、新たなパワーを生む原動力につながります。原ジャイアンツの試合内容に爆発的な展開が多いのは選手たちにその思いが伝わっているからでしょう。

 私は15年間で1034勝させてもらいましたが、原監督は14年目で1034勝、私は65歳までジャイアンツの監督をやらせてもらいましたから、原監督の61歳は、まだまだ若い。未来永劫(えいごう)、ジャイアンツの地盤がしっかりと固まるまで、チームをけん引してもらいたいと思います。

 ◇原監督と長嶋監督の比較アラカルト◇

 ☆110試合早く到達 原監督は1034勝779敗59分け。巨人では川上哲治監督の1066勝に次ぎ長嶋茂雄監督に並ぶ2位タイに浮上。長嶋監督が通算1982試合で挙げた白星に通算1872試合目で並んだ。

 ☆ホームと接戦で強さ ホームでは通算576勝339敗27分けの勝率.630で、長嶋監督の.575を5分以上上回った。また、1点差試合は281勝250敗の勝率.529。長嶋監督の勝率.477とは対照的に勝ち越した。

 ☆内海と阿部が貢献 原監督の下で最も勝ったのは113勝の内海(現西武)で、これに次ぐのが上原浩治の51勝。勝利打点は阿部慎之助の115、坂本勇人の100が上位となった。なお、長嶋監督の下では斎藤雅樹の83勝が最多で、勝利打点は松井秀喜の103、王貞治の80が上位だ。

続きを表示

2020年7月5日のニュース