巨人・大城 特大弾で開幕マスク猛アピール 打てる、走れるで原監督も「最も働いてもらいたい選手」

[ 2020年6月1日 05:30 ]

巨人紅白戦②   紅組2-0白組 ( 2020年5月31日    東京ドーム )

4回1死、大城は先制ソロホームランを放つ(撮影・森沢裕)
Photo By スポニチ

 巨人は5月31日、東京ドームで紅白戦ダブルヘッダーを実施。主力が出場した第2試合で紅組の「4番・捕手」で出場した大城卓三捕手(27)が4回に右中間席中段に特大弾を放ち、6回には盗塁もマークした。3月25日の中日戦以来となる実戦で19日の開幕戦でのスタメンマスクに向けて猛アピール。2日から始まる練習試合でも存在を示す。

 バックネット裏で見守る原監督に強烈な印象を残した。衝撃音を残した白球は右中間席に一直線。右翼を守るパーラが一歩も動かなかった。スタンド中段への特大ソロを放った大城はダイヤモンドを1周し、ナインと「エアタッチ」で喜んだ。

 「完璧に捉えられた。ファーストストライクから思い切り振れたのがよかったです」

 今季のオープン戦から導入した新たな打撃フォームが特大弾につながった。4回1死。1ボールからサンチェスの高め147キロ直球を強振した。振り遅れを防ぐために投手が投球動作に入る前から早めに右足を上げ下げし、手応えを得ていた新打法。約2カ月ぶりの実戦でも継続できた。

 “有言実行”も果たした。チームメートから足の遅さをいじられる27歳は、コロナ禍による個人調整期間中に出演した球団公式インスタライブで「盗塁、頑張ります」とプロ初盗塁を約束していた。早速、四球で出塁した6回に二盗に成功。直後、北村の左前打で一気に本塁も狙った。アウトにはなったが、「打って走れる捕手」となれば小林、炭谷との正捕手争いで、これ以上ないストロングポイントとなる。

 1軍にとっては3月25日以来の実戦で原監督は「水を得た魚のごとく」と独特の表現で軽快な動きを見せたナインを評した。その中でも打って、走って、リードでも田口、桜井、メルセデスの3投手を無失点に導いた大城については「今年最も働いてもらいたい選手の一人」と期待した。

 「バッティングでも守備でもアピールすることが大事。しっかり結果を残していきたい」と大城。2日からは練習試合がスタートする。コロナ禍を乗り越え、ようやく迎える特別な6・19開幕。見据えるのは3年目で初の開幕スタメンだ。 (青森 正宣)

 《27歳独身、自炊も上達》○…27歳で独身の大城はコロナ禍による外出自粛の「おうち時間」も有効に活用している。最近は自宅での自炊にも積極的。「総菜を買ったりもしますけど、だいぶ慣れてきました」と苦戦しながらも、腕前は野球と同様に日々上達している。リフレッシュ方法が増えることは、切り替えが必要となる長いシーズンにも生きる。「映画も見たりしてゆっくり過ごしています」と笑顔で語った。

 《「三者三様」で正捕手争い》タイプが違う「三者三様」の3人が、正捕手の座を争う構図だ。強打が売りの大城はオープン戦期間中にリード、スローイング面の評価も上昇。今後の伸びしろも大きく、3月の時点で原監督も「今のところ一歩リードしているんじゃないでしょうか」と評していた。小林は4年連続盗塁阻止率リーグトップの強肩が持ち味。経験豊富な炭谷は安定したリードで投手陣からの信頼も厚い。19日の開幕まで激しい争いが続きそうだ。

続きを表示

2020年6月1日のニュース