新型コロナでMLB開幕延期…筒香「また考えないと」 秋山「整えるのがプロ」

[ 2020年3月14日 02:30 ]

ツインズ・オリオールズ戦が中止となり、クローズされたハモンドスタジアム(AP)
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 大リーグ機構(MLB)は12日(日本時間13日)、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、26日(同27日)に全30球団で一斉に迎える予定だったレギュラーシーズン開幕を最低2週間は延期し、東部時間12日午後4時(同13日午前5時)以降開始のオープン戦を中止にしたと発表した。念願のメジャーデビューが遅れるレッズの秋山翔吾外野手(31)、レイズの筒香嘉智内野手(28)らが心境を語った。

 午後3時10分。MLBは全30球団と電話会議を行った後に、声明文を発表した。

 「オープン戦は本日をもって一時中止。新型コロナウイルスの“パンデミック(世界的流行)”によって引き起こされた国家緊急事態のため、20年のレギュラーシーズン開幕を最低2週間延期する」

 米国でナショナルパスタイム(国民的娯楽)と呼ばれる大リーグといえども、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を免れなかった。仮に日程通りに開幕しても、すぐに中断に追い込まれる可能性がある。野茂英雄(ドジャース)のメジャー1年目だった95年の開幕が前年のストライキの影響で遅れたことはあるが、第2次世界大戦中でも実施した。しかし、今回は延期以外に選択肢はなく、4月9日(日本時間10日)が開幕だったマイナーリーグも延期した。

 東部時間12日午後4時以降のオープン戦も中止となり、秋山は出場予定だったマリナーズ戦(午後7時10分開始)が急きょなくなった。待ち焦がれるメジャーデビューも開幕延期により先行き不透明だが「選手、ファンのことも考えて今の状況でベストだと判断したと思うので、それに従うだけ」と冷静に語った。西武時代にも11年の東日本大震災で開幕延期を経験しており、「この期間がプラスになるかマイナスになるか正直、分からない。そのコンディションを整えるのがプロかなと思う」と強調した。

 筒香は午後1時5分開始のフィリーズ戦に出場し、2打数無安打で5試合連続無安打に終わった。延期発表前の取材で「そこ(延期)は僕たちが左右できないこと。(開幕が)遅れるのであれば体の状態をどういうふうにやっていくか、また考えないといけない」と神妙な表情で話した。

 現在、各球団は今後について協議中。キャンプ地に残って練習を続けるかなど、それぞれ対応を迫られる。

 ▼ツインズ・前田 仕方ない。延期されるとは思っていた。(2週間遅れで)やれれば、特に問題はない。全てが早く収まって、どのスポーツも早く再開できればいいなと思う。

 ▼マリナーズ・平野(大リーグ機構が)開幕がいつになるか分からないので調整は難しいが、気持ちをリセットしてやっていくしかない。

 ▽95年の大リーグ開幕延期 94年8月から大リーグの選手会がストライキに突入。このため、95年は当初4月3日に予定されていた開幕が4月25日にずれ込んだ。試合数は162試合から144試合に減少。同年にメジャーに挑戦したドジャース・野茂英雄のデビューも5月2日に遅れた。野茂は1年目から13勝を挙げ新人王を獲得し、停滞ムードが漂っていたメジャーに「トルネード旋風」を巻き起こした。

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