広島・大瀬良 「本物のエース」になる!2段モーションを封印に手応えも

[ 2020年1月7日 05:30 ]

マツダスタジアムの室内練習場で練習を公開した広島・大瀬良
Photo By 共同

 広島・大瀬良大地投手(28)は6日、マツダスタジアムに隣接する屋内練習場で自主トレーニングを公開し、自他ともに認める「真のエース」に成長する決意を示した。昨季は3年連続2桁となる11勝(9敗)をあげたが、終盤の失速を反省。今季は1年を通して安定した成績を残すために2段モーションを封印するなど、改良中の新フォームへの手応えも明かした。

 大瀬良は、いまだに自らをエースとは呼ばない。新年の誓いは、高く掲げる理想像に今年こそ近づこうとする決意表明でもあった。

 「昨年、大事なところで勝てなかったのが、僕の中で強く残っている。そういったところで勝てないと、本物のエースと呼ばれる投手にはなれない。そこに関しては今年は特に意識してやりたい」

 昨季は自身初の開幕投手を務め3年連続2桁勝利もマーク。緒方前監督や当時投手コーチだった佐々岡監督からは「エース」と呼ばれた。しかし、月間防御率は6月から3カ月連続で5点台。首位と6・5ゲーム差で迎えた8月29日の巨人戦では中5日で抜てきされながら2回1/3でKO。自己ワーストに並ぶ10失点を喫した。逆転優勝が絶望的となった屈辱の一戦も、自らをエースと認めることができない後悔の一つである。

 「去年からそういう(エースという)言葉は使ってもらっている。僕にハッパをかける意味で言ってくれていると受け取っていた。すごくうれしく、ありがたいことですけど、チーム、僕が目指すエースは、まだまだ昨年までの僕の姿ではない。より近づけるようにやっていきたい」

 シーズン終了後から2段モーションを封印した背景にも、昨季終盤の反省があった。「昨年も、15勝した一昨年も夏場以降に失速した。2年間を踏まえて変えてみよう…ということで2段モーションのところに行き着いた。よりシンプルに負荷をかけずに、いいパフォーマンスを出せるようにやっていきたい」。公開した自主トレでは、戸田を相手に約40メートルのキャッチボール。「いい感触を得られているので問題ない」と、新フォームの手応えは上々だ。

 振り返れば、入団後からチームにはエースと呼ばれる先輩がいた。「マエケンさん、黒田さんを見て学ばせてもらった。共通していたのは、ここぞで勝てる、負けたら仕方ないと思ってもらえる投手だった。周りからエースと呼ばれるのはそういう人だと思います」。真のエース道を継承できるのは、もちろん、大瀬良のほかにはいない。(河合 洋介)

続きを表示

この記事のフォト

2020年1月7日のニュース