阪神・北條、先制2点打「追い込まれる前に仕掛けられた」“原点回帰”で上り調子

[ 2019年9月12日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神10―3ヤクルト ( 2019年9月11日    甲子園 )

4回2死満塁、北條は左線に先制の2点適時打を放つ(撮影・坂田 高浩)
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 出場機会に飢える男が、歯を食いしばりボールに食らいついた。0―0の4回2死満塁、阪神・北條は1ボール1ストライクから、小川の低めスライダーに腕を伸ばして弾き返した。左翼前に落ちる先制の2点打だ。

 「あそこは、いろいろ考えていたこともありますが、それは言えないので…。追い込まれる前に仕掛けることができて結果的に良かったと思います」

 5月には1割台まで落ちた打率が現在は・265まで上昇と昇り調子が続く。そんな状況でも木浪や大山との兼ね合いで出場機会は限定的で先発は4日DeNA戦以来、6試合ぶりだった。「試合に出てないから調子が良いも悪いも分かりませんよ(笑い)」と自虐的に話すこともあったが、モチベーションを保つことができている一因は打撃の“原点”にある。

 キーワードは『呼吸』だ。「ボールの軌道に合わせて“スー”っと軽く息を吐くんです」。打つ直前に無駄な力が入ってしまうと、低めの変化球に手が出たり、甘い球を捉えきれない弊害が起きる。そこで、タイミングを図ると同時に「スー」っと息を吐くことで自然な脱力が実現する。

 昨季中盤に、このコツをつかんで覚醒した。7月から遊撃レギュラーに定着すると62試合出場で77安打を放ち打率・322。9月14日のヤクルト戦の守備で「左肩の亜脱臼」を負い戦線離脱したが「あの感覚があれば、どれだけブランクがあってもすぐに戻せると思ったんです」と、心配する周囲とは対照的に、不安はほとんどなかった。

 迎えた今季、序盤は感覚の微妙なズレで苦しんだが『呼吸』という帰るべき“原点”があるからこそ、信念を曲げず、取り組んでくることができた。そしていま、やっと、本領を発揮し始めている。

 決勝打の直後の守備では3つのゴロを無難にさばき、8回無死一、二塁では三塁前へ絶妙な犠打を決めるなど、攻守で求められる任務を遂行した。「(今後も)しっかり準備していきたい」。奇跡の逆転CS進出へ、頼もしい若虎がここにもいる。 (巻木 周平) 

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