ダルビッシュ 8球種を自在に操り6回無失点「俺凄くね?って」

[ 2019年7月13日 14:21 ]

ナ・リーグ   カブス4―3パイレーツ ( 2019年7月12日    シカゴ )

<カブス・パイレーツ>力投するカブス先発のダルビッシュ(AP)
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 ダルビッシュ有投手(32)はカブス移籍後27試合目で初めて無失点登板となった。6回を2安打無失点、8三振。打線の援護がなく、4月27日以来の3勝目は付かなかったが、ここまで制球に苦しんできた同投手が、この日は8球種を自在にコントロール。「俺凄くね?って思い出している」とドヤ顔も復活した。

 6回2死一、二塁で打者は右打ちの3番マルテ。ダルビッシュの頭に不吉な予感がよぎった。「マルテのところで思ったんですけど、カブスに来てから、こういう場面で最後にホームランを打たれるんだよなーと」

 実際、前半戦最後の5試合でも、17失点中14失点が本塁打だった。その反省から「ホームランを打たせない配球を」と臨んだ。

 マルテに関しては、スカウティングレポートから、内角のツーシームで攻めれば良いと分かっていた。「他のところの真っすぐは基本的に打つし、ストライクゾーンの変化球も、前の対戦でカッターをレフト線に二塁打されたように打つ。とにかくツーシームをしっかり内角に深くいけば、あの人は振るので。でもそればかりだと狙ってくるから、外にフォーシームも投げつつ」

 外角にボールになるカットボールを見せた後、ツーシームで内角をえぐり遊飛でピンチ脱出。マウンドを降りるダルビッシュに、4万740人のスタンディングオベーションが注がれた。

 この回限りで0―0のまま降板し、勝ちは付かなかったが「良いでしょう、野球だから。僕と同じ防御率(4・72)で10勝くらいしちゃう時もある。それは野球の難しさというか、勝つことの難しさだと思う」と気にするそぶりを見せなかった。

 強がりではない。手応えの土台にあるのはフォームの安定だ。

 「シンシナティ(5月15日)から全く変わっていない。普通だと投球フォームの感覚が狂ってきて変えていかないといけない。今のフォームに関してはずっと同じなので、フォームのことを考える必要がない。フォームが安定して、この1カ月くらい自分の中で全部がうまくいきだしている感覚がある。やりたいことが全部できる。小さいカッターを投げたり、カーブが良くなったり、チェンジアップも投げられるようになった。今自分のキャリアで見た時に、この1カ月が一番、俺凄くねって思い出している時期なんですよ」

 この日はカーブ、スライダー、チェンジアップ、スプリット、縦のカッター、横のカッター、ツーシーム、フォーシームと8球種を駆使し、スピード差は97マイル(約156キロ)から72マイル(116キロ)と緩急も大きい。ストライク率は66%で、相手に的を絞らせなかった。

 「前はゲームプラン以前の問題で、ストライクを投げられるかどうか。今は一人の打者にこれをしようと考えたことができるようになっている。(登板前のミーティングで)話す内容のレベルも、全然違うなと思います」

 試合はダルビッシュ降板後の7回から動き、3点を取り合った後、8回にヘイワードの適時打でカブスが4―3と勝ち越し、後半開幕戦を飾った。

 「キャリア一番」の手応えは本物なのか。安定したフォームによる精度の高いピッチングで、後半戦、チームをけん引できるか。(奥田秀樹通信員)

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