大体大 5季ぶり38回目の優勝 駒方主将、教育実習前のV引き寄せる3ラン

[ 2019年5月14日 16:33 ]

阪神大学野球春季リーグ戦 第6節3回戦   大体大11―4関西国際大 ( 2019年5月14日    万博 )

<関国大・大体大> 春季リーグ戦に優勝し、胴上げされる大体大・中野監督 (撮影・後藤 大輝)  
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 大体大が2016年秋以来、5季ぶり38回目の優勝を成し遂げた。頼もしいナインの腕で宙を舞った中野和彦監督(60)は「個々の能力はもう一つ。ただ、まとまりがあって、打たれても点を取られても何とかなるという雰囲気があった」と笑顔で今季を振り返った。

 上原浩治(巨人)、村田透(日本ハム)など多数のプロ選手を輩出した強豪だが、ここ数年は低迷。昨春は86年秋以来、63季ぶり2度目の最下位に沈み、入れ替え戦も経験した。主将の駒方公紀内野手(4年=高岡商)は「このリーグで一番、全国に行っているチーム。伝統に泥を塗ってしまった」と言う。だが、屈辱を経験したことでチームは生まれ変わった。

 主将は就任後、まずは守備を立て直すことから始めた。「去年の春は守備の乱れで負けていた。だから、しつこいくらいに言ってきたのが“低い送球”。浮いてとんでもないところに行けば、走者が先の塁に進む。低い送球は取る方が必死に抑えれば、最低でも無駄な進塁はない」。専用グラウンドを持たないため、内外野の連係練習ができるのは週に1、2度程度。実践の場が少ないからこそ、しつこく言い続けることが重要だった。

 決めたい理由があった。試合に敗れて勝ち点を落とせば、優勝決定は最短で今月20日にズレ込む。16日から母校に教育実習へと出向くため、仲間と優勝の喜びを分かち合うことができない可能性があった。「絶対に今日、決めたいと思っていた」。2―1の7回2死二、三塁、高め直球を振り抜き、左翼席へ試合の流れを大きく引き寄せる3ランを叩き込んだ。強い気持ちは結果となって実を結んだ。

 4年ぶり18度目の全日本大学野球選手権出場も決まった。初戦は6月11日に神宮球場で高知工科大(四国地区大学野球連盟)と対戦する。現チームで全国の舞台を知るのは1年秋の神宮大会でマスクをかぶった出雲亮冴捕手(4年=尽誠学園)とベンチ入りした主将の二人。その主将は6月7日まで教育実習が続くため、チーム合流は大会直前となる。「多くの人が入って、プロ野球もやる球場を使わせて頂ける。緊張するでしょうが、楽しめる場所だと思う。僕も当時はレギュラーではなかったので(雰囲気に)のまれないようにやりたい」。どん底を味わったナインが心の強さを全国の舞台で示す。

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