【中畑清 キヨシスタイル】目下打撃3冠、巨人・坂本は異次元の領域へ

[ 2019年5月14日 08:30 ]

巨人・坂本勇(撮影・森沢裕)
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 巨人の坂本勇人が開幕36試合連続出塁のセ・リーグ新記録を達成し、スティーブ(83年西武)の持つ40試合連続のプロ野球記録に迫っている。

 ONを抜いて球団記録を更新し、金本知憲(97年広島)のリーグ記録に並んで抜き去る。重圧がかかっているはずなのに、この3試合は第1打席でいとも簡単にヒットを打ってるんだよね。

 まさに「来た球を打てばいいんだ」という打撃を実践。元々、内角をさばくのは上手だったけど、今はストライクゾーンならどこでも対応できている。

 相手投手のタイプによって足の上げ方、タイミングの取り方を変え、右足に重心を残して球を呼び込む。そして軸回転。バットのヘッドが遅れて体に巻き付くように内側から出てくるから、速い球もカットできるし、外角の変化球にもついていける。

 どの球種、コースでもフルスイング。外角もしっかり振り切れるから右方向でも飛距離が出る。打率.349、13本塁打、30打点は目下、打撃3部門トップ。バットマンとしての聖域、いや、それを超えた次元にいるような気さえする。

 迷いのない打席。いかにいい準備をして入っているか。与えられた情報はあくまで参考にして、実際に打席で得た感覚をインプットして次の対戦に生かす。その研究心、探究心。丸の存在が大きいと思うね。

 広島からFAで加入した丸は一打席ごとに配球や感想を事細かにメモして、2年連続セ・リーグMVPに輝いた。勇人はオープン戦から生きた教材を見て、そのエキスを吸収。丸を「丸のみ」して、円熟味あふれる打席につなげているんじゃないかな。

 戦後、野村克也さんに始まり、王貞治さん、落合博満、ブーマー、バース、松中信彦と続いた3冠王達成者。みんなホームランバッターのイメージだった。勇人はタイプが違うけど、広角にホームランが打てる。1、2番じゃ稼ぎにくい打点をなんとかすれば、可能性は十分にある。

 令和という新時代。どんな球にも対応できる新しいタイプの3冠王が誕生してもいいよね。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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