【関西大学野球の新星】関学大・衛藤慎也投手(聖光学院)ライバルの存在を推進力に4年間鍛え抜く

[ 2019年3月19日 18:20 ]

プロという舞台での小園との再戦を目指す関学大・衛藤
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 手の届かなかった男の存在が、上に向かうための推進力となっている。関学大に進学した衛藤慎也投手には追いつき、追い越さなければならない相手がいる。

 「完全な力負けでしたね。抑えられるのは10回やって、何回かでしょう」

 現時点では、かなわない。そう認めるからこそ客観的に自らの力を分析し、4年後のリベンジに向け、着実に歩んでいく心構えだ。

 聖光学院のエースとして踏みしめた昨年夏の甲子園のマウンド。目の前には報徳学園・小園海斗(現広島)という強固な壁が立ちはだかっていた。先頭打者として対戦した1、3、8回の3打席で3本の二塁打を浴び、いずれも生還を許した。この試合で自己最速の146キロを計測。137球を投げ抜いて3失点完投したが、小園にかき回された形で、初戦で聖地を後にした。

 「中学の時から知っていたので。ああいうヤツがプロに行くんだろうなって思っていました」

 兵庫県尼崎市出身。実家は関学大から自転車で20分ほどの距離にあり、小園とは中学時代、同じバッティングセンターに通っていたこともある。当時から実力は知っていたが、対戦してさらに凄みを知った。「3年間を通したら、もっとできることもあったかも知れませんが、あの試合に関しては全て出し切りました。力負けです」。完全燃焼し、清々しく高校野球を終えた。

 聖光学院には野手として入学したが、1年の5月から投手に転向。投手としては苦難の道のりを歩んできた。1年秋から右肘に違和感を覚え、2年の7月に疲労骨折のため右肘を手術。3年の選抜大会出場後の昨年3月29日には2度目の手術を受けた。野手としての能力の高さにも定評があるが、大学ではあくまでも投手として勝負する。

 「ローテを任される投手になりたい。大舞台で力を発揮でき、チームを負けさせない投手になりたい。リーグ優勝という目標もありますが、一番目指すところは日本一です」

 入学前から先輩にスプリットの握りを聞きに行くなど、目標に向けてどん欲な姿勢を見せている。全ては高校時代に見ることができなかった頂点からの景色を見るためだ。

 昨夏甲子園大会で全3打点を許した報徳学園・長尾亮弥外野手とはチームメートとなった。「これも運命だなって話しましたよ」と満面の笑顔。経済学部らしく「税金の仕組みに興味があるので」と学業への意欲を見せ、「目指せる位置にいるので、将来の目標の一番目はプロ野球選手です」とも言う。文武両道で野球の実力と人間力を磨き、4年後には勝てなかった相手がいる世界へとたどり着いてみせる。

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