近大3季ぶりV 林山が6回1失点「神宮でも投げたい」

[ 2018年10月15日 05:30 ]

西学生野球秋季リーグ戦 第7節第2日   近大8―1京大 ( 2018年10月14日    南港中央 )

3季ぶりリーグ優勝の近大ナイン
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 近大が京大を破って勝ち点5とし、3季ぶり46度目(旧リーグ含む)のリーグ優勝を決めた。先発の林山大洲投手(2年)が6回1失点で4勝目を挙げ、打線も13安打8得点で援護した。近大は明治神宮大会(11月9日開幕)の出場権をかけ、27日から始まる関西地区大学野球選手権に臨む。

 近大がチーム防御率1・55の投手力で、勝ち点5の完全Vを達成した。中心は今春までベンチ外だった林山。大学入学後に最速を10キロも伸ばした145キロ左腕は、勝てば優勝という重圧を感じさせず、6回1失点。2安打と四球で招いた4回1死満塁も、スライダーで「狙い通り」という遊ゴロ併殺に切り抜けた。

 「(ピンチは)心の中ではヤバイと思っていましたが、表情に出さず冷静でいられました。開幕戦の先発の方が緊張しました」

 幼い頃から育まれた平常心が役に立った。佐賀県唐津市出身で、実家は臨済宗のお寺。田中秀昌監督からは「お前には仏さんがついているから大丈夫だ」と励まされてきた。「自分は長男なんで、いずれは後を継ぐつもり。でも、お経は読めないです」と笑い、リーグトップに並ぶ4勝目に満足感を示した。

 9月中旬には左足首脱臼で出遅れたエース左腕の小寺も復帰。開幕戦に間に合わないことが判明してからは、林山に「戻ってくるから、焦らずに頑張ってくれ」と激励したが、自らの防御率1・33を超えるリーグトップの1・26という想像以上の活躍ぶり。「林山はまじめだし、投手陣の中で一番しっかりしていると思う。全部、持って行かれましたね」。来年以降にもつながるだけに、頼れる後輩の急成長を喜んだ。

 田中監督は、グラウンドのベンチにあるボードに赤い文字で「平成最初の日本一は近大 平成最後の日本一も近大」と書き込み、節目で選手らに話すことで高い目標を意識させてきた。平成元年の1989年は、全日本選手権と明治神宮大会を制覇。指揮官が記した大目標に向け、リーグ優勝という最初の関門を突破した。

 27日からは関西地区5連盟の優勝校が、2枚の神宮切符を懸けて争う関西地区大学野球選手権が始まる。

 「途中からストレートが走っていなかった。今から磨きをかけて、神宮でも投げられるようにしたい」

 自身初のリーグ戦登板で大きく成長した1メートル73の救世主は、大一番に向けて気合を入れ直した。

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2018年10月15日のニュース