ハム大田“矢野魂”で男気V撃「気持ちだけ」引退兄貴分から助言

[ 2018年10月15日 05:30 ]

パ・リーグ クライマックスシリーズ ファーストステージ第2戦   日本ハム4―2ソフトバンク ( 2018年10月14日    ヤフオクD )

引退した矢野のユニホームを着てガッツポーズをする大田(撮影・篠原岳夫)
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 日本ハムがレギュラーシーズン3位からのCSファイナルステージ進出に向け、1勝1敗のタイに戻した。2―2で迎えた8回、2死走者なしからの3連続二塁打で勝ち越し。決勝打は大田泰示外野手(28)が放った。ヒーローインタビューでは今季限りで現役を引退する矢野謙次外野手(38)のユニホームを着て登場。兄貴分のためにも勝ち続ける。

 敵地のお立ち台に上がった大田の背中に自身の背番号33はなかった。「YANO 37」。引退する矢野のユニホームをお守りとして決戦の舞台に持ち込んでいたのだ。

 「昨日も(矢野に)電話しました。アドバイスをもらったので、あの安打が打てたと思う。兄貴分の矢野さんの分まで頑張りたい」

 7回に同点とされ、敵地は押せ押せムード。8回2死、西川が二塁打で出る。大田はそこまで3打数無安打で今CSは計6打数無安打。「吹っ切れたら」と横尾が使用するアルシアのバットにすがった。フルカウントからの7球目、この打席で唯一甘く入った149キロ直球を振り抜くと、打球は左越えへ。雄叫びを上げ、ガッツポーズをしながら二塁へ到達した。

 「気持ちだけです。いい結果になって良かった」。巨人時代を含めCS4試合目での初打点。矢野の勝負強い姿が重なった。巨人入団時からの先輩。15年途中に日本ハムに移った矢野を追うように16年オフにトレード移籍した後も慕ってきた。

 矢野の引退セレモニー用Tシャツを着て球場入りした第1戦は、4打席目で代打を送られた。試合後、矢野の携帯を鳴らした。「今日はやられました。自分の打撃はどうでした?」。矢野も後輩の求めがあるかもしれないと思って、横浜市内の自宅でテレビ観戦していた。掛けた言葉は「方向を出して打ってみればいい」。大田は「落ち着かせてくれた」と“コーチ”に感謝した。

 矢野はメンバーから外れて遠征に同行していないが、ファイナルSで西武を倒して日本シリーズ進出を決めれば胴上げやビールかけには参加予定。そのためにも第3戦で負けるわけにはいかない。「泥だらけになって必死に球を追いかけて、一生懸命打つ」。最高のフィナーレを迎えるために、大田が打ちまくる。 (東尾 洋樹)

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