ソフトB グラシアルが延長12回劇的サヨナラ満塁弾 サヨナラ弾含む1戦2本満塁弾は史上初

[ 2018年8月27日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク12―8西武 ( 2018年8月26日    ヤフオクD )

12回1死満塁、サヨナラ満塁本塁打を放ったグラシアル(中央)はナインから祝福される(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクのジュリスベル・グラシアル内野手(32)が26日の西武戦の12回に右越え4号満塁弾を放って劇的なサヨナラ勝ちを収め、昨年9月以来の9連勝を飾った。2回に今宮も満塁弾を放ち、サヨナラ弾を含む1試合2本の満塁弾は史上初。首位・西武との直接対決に3連勝してゲーム差を一気に5ゲームまで縮め、逆転優勝へ可能性を広げた。

 鋭い目つきで、グラシアルが増田をにらんだ。8―8の延長12回1死満塁。内角直球、低め直球をファウルして迎えた3球目。外角高め150キロを叩いた。打球は右翼席最前列に飛び込んだ。

 「打った瞬間、結構飛んだなと。(本塁での出迎えは)野球をやっている誰もが夢見る。感動したし、うれしかった」

 1軍に昇格した17日のオリックス戦から、チームの連勝が始まった。9試合で4本塁打の量産。好調の要因を立花打撃コーチは「頭の位置が動かない。目線がぶれないから見極めができる」と分析する。試合を決める一打は「一定の目線」から生まれた。「(サヨナラ満塁弾は)キューバでやっているときに打ったことがあるよ」と笑みを浮かべた。

 2軍で調整していた8月上旬。ショッピングモールで買い物をしているとファンからサインを求められ、激励の言葉を掛けられた。改めて人気球団の一員であることを実感した。思いをバットに込め、昨年9月以来となる9連勝に貢献。「みんなポジティブに声を掛け合っている。自信を持っているのを感じる」と頼もしいチームメートにも刺激をもらった。

 2回には今宮が9年目で初の満塁弾をマークした。直球を左翼席に運び「自分の好きなところだけ待って、思い切りいかせてもらった。迷いなく振ることを決めている」。24日の同戦では自身初の先頭打者本塁打を記録しており、1カードで2度目の初体験だった。

 サヨナラ弾を含む1試合2本の満塁弾は史上初の快挙で、11日には11・5ゲーム差だった首位・西武に5ゲーム差に迫った。思えば、10年に西武をシーズン土壇場で逆転してリーグ優勝したのも、本拠地での3連勝がきっかけだった。工藤監督は「西武さんの背中がやっと見えてきた。本当の戦いはこれから」と口元を引き締めた。残り34試合。連覇に望みをつなげる、4時間48分の激闘だった。

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