広島 丸 プロ11年目で初の30号 05年の前田、新井以来の大台も「ホームラン打者ではない」

[ 2018年8月27日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1―11中日 ( 2018年8月26日    マツダ )

5回1死、丸は右越えにソロ本塁打を放ち、ナインとタッチをかわす(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 広島・丸佳浩外野手(29)が26日の中日戦で11年目にして初の30号に到達した。5回に零敗を阻止する右越えソロ。球団の日本選手では05年の前田、新井以来の大台で、左打者では99年に金本が記録した球団最多34本超えも視野に入った。試合は1―11の大敗で優勝マジックは「22」のまま変わらなかった。

 昨季のMVP男の進化は、いまだ止まらない。無得点で迎えた5回1死無走者。10点劣勢と大敗ムードでも丸の集中力は途切れない。藤嶋の初球を狙い澄まし、右翼席に放り込む30号ソロとした。

 「手応えはよかった。点差は開いてしまったので、やるべきことをやろうと思った。比較的そういう(距離の出る本塁打)のもあるけど、ホームラン打者ではない。いいスイングをした結果、本塁打になればいいと思っている」

 球団の日本選手では前田、新井以来のシーズン30発に到達した。左打者に限れば、過去最多だった99年金本の34発超えも射程に捉えている。シーズン換算すれば、40発ペース。これは78年ギャレットが持つ球団の左打者最多本塁打に並ぶ計算にもなる。今季は4月28日の阪神戦の守備で、飛球を飛び込んで好捕した際に右太腿裏を負傷。一時離脱して出場は93試合にとどまっている中で赤ヘルの歴史を塗り替えようとしているのだから破格だ。

 今季も際立つ選球眼が一撃必殺につながっている。2四球を選んで、1打席目の右前打を含む全4打席で出塁。98四球へ積み上げ、4年ぶり2度目の100四球も目前に迫った。昨季の23本塁打から凄みを増す長打力について、迎打撃コーチは「角度のついた打球もあるけど、打撃自体は変わらない。本塁打もそうだけど、集中力を切らさずに選んだ今日の2つの四球は、今年の丸を象徴している」と分析した。

 大敗だからこそ光った集中力。勝敗を背負う主軸として丸に笑顔はない。「集中力が切れてしまいそうになることもあるけど、自分の目的をしっかりと持った中でやっていこうと思っている」。優勝マジックは「22」のまま。リーグ3連覇へ、敗戦でもブレない姿勢を絶対的主軸が示した。

(河合 洋介)

続きを表示

2018年8月27日のニュース