2浪と病気乗り越えて…慶大・倉田 ベストナイン初受賞

[ 2017年5月30日 07:50 ]

ベストナインに選出された慶大の(左から)清水翔、倉田、郡司、岩見
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 東京六大学野球春季リーグ戦は立大の35季ぶり優勝で幕を閉じた。29日に全日程が終了し、ベストナインが決定。二塁手部門で初受賞した慶大の倉田直幸内野手(4年)は浪人と病気という2つの苦労を乗り越えての受賞となった。

 浜松西(静岡)時代は走攻守3拍子揃った好プレーヤー。高校は偏差値68の進学校で「六大学でプレーしたいというのと親の後押しもあった」。2年浪人の末、慶大に入学した。浪人中も母校で練習を手伝いながら体を動かした。「慶応は全員が練習する時間があるしチャンスも多い」とブランクを取り返し、昨春からレギュラーの座をつかんだ。

 しかし昨年11月、発熱や吐き気など体調に異変を感じて病院に行くと即入院。年末年始も病院で過ごし、春季キャンプにも参加できなかった。「開幕に間に合うかどうか不安だった」。幸い完治し、チームには合流できたが「半日練習したら倒れちゃうくらい体力が落ちていた」。食欲が出ず、体重は3キロほど落ちた。それでも歯を食いしばって練習し、開幕に間に合わせた。

 4月24日の立大戦では4安打の活躍、守っては全14試合に出場して無失策。ベストナイン投票では満票にあと1票と迫る19票を獲得した。あと一歩優勝には届かず「悔しい。でもベストナインを獲れたことは良かった」。卒業後は一般企業に就職希望で、現役は秋のリーグ戦が最後。「また秋に向けて頑張りたい」。表情にたくましさが漂っていた。

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2017年5月30日のニュース