DeNA桑原 不動の1番定着が「師匠」柳田への最大の恩返し

[ 2016年12月11日 10:30 ]

207%増の4000万円で契約更改を終えた桑原は来季の目標に「フルイニング出場」と「優勝」を掲げた
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 活躍して恩返しをしたい――。DeNA・桑原は、特別な思いを持って来季に臨む。

 「柳田さんがいなかったら、今の僕はいないと思う。もちろん、もっと一緒に野球をやりたかったけど仕方のないこと。活躍することが恩返しになる。僕にとっては来季が勝負です」

 福知山成美出身の桑原にとって、高校の先輩である柳田は「師匠」のような存在だった。だが、10月2日。柳田が戦力外通告を受けた。チームはクライマックスシリーズファーストステージに向けて調整を行っていたとき。桑原の悲しそうな顔が印象に残っている。

 5年目の今季は6月から1番に定着すると、自己最多の133試合に出場し、打率・284、11本塁打、49打点をマーク。巨人のエース菅野から自身初の満塁本塁打を放つなど、その活躍は目覚ましかった。チームのムードメーカーで明るい印象が強い23歳だが、野球の話になるとその表情は一変する。日々の取材の中で好調の要因を尋ねると必ず出てくるのが、柳田の名前だった。

 取材ノートを振り返ると、何度も師匠の名前を口にしていた。「この前、柳田さんと食事をしたときにメンタル面のアドバイスをもらった」「柳田さんにこれで満足してるようじゃダメだぞと言われた」――。昨季までは期待されながらも、好不調の波が激しく定位置奪取とはいかなかった。今季ブレークした理由を桑原自身は精神面の安定だと分析する。努力による技術面の成長に加えて、心強いアドバイザーの存在があったからだ。

 そんな後輩の成長に柳田は目を細めた。「中日から来たら、たまたま高校の後輩の桑原がいて。あいつ、金魚のふんみたいについてきた(笑い)。去年、一昨年までは波が大きかったけど、気持ちの面を自分でコントロールできるようになった」。桑原と話すときの8割は厳しいことだったという。「いっぱい説教したね。3回くらい泣かしたかな。でも、それでもついてきてくれた」とうれしそうに振り返った。

 年俸面でも大幅増を勝ち取ったが、桑原に慢心はない。「今季以上の成績を残さないといけない。143試合フルで出場して、なおかつ数字を残す。またポジションを勝ち取るという気持ちで、オフシーズンを過ごしたい」と意欲を燃やす。真価が問われる17年シーズン。師匠に独り立ちした姿を見せるためにも、1番打者の座を不動のものとしてみせる。(記者コラム 中村 文香)

 ◆桑原 将志(くわはら・まさゆき)1993年(平5)7月21日、大阪府生まれの23歳。福知山成美で主将を務めた3年夏は府大会準決勝で敗退し、甲子園経験はなし。11年ドラフト4位でDeNAに入団。1年目の12年10月1日の中日戦でプロ初安打。14年に内野手から外野手へ登録変更。1メートル74、78キロ。右投げ右打ち。

 ◆柳田 殖生(やなぎだ・しげお)1982年(昭57)3月31日、兵庫県生まれの34歳。福知山商(現福知山成美)―デュプロ―NOMOベースボールクラブを経て、05年の大学生・社会人ドラフト5巡目で中日入団。07年6月に代走として1軍初出場。内野全ポジションをこなし、DeNAに移籍した14年に自己最多74試合に出場した。1メートル80、85キロ。右投げ右打ち。

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