イチロー マ軍残留5日深夜発表へ 選択権持つ球団高評価

[ 2016年10月4日 05:30 ]

ナ・リーグ ( 2016年10月2日    ワシントン )

<ナショナルズ・マーリンズ>5回、代打を告げられ素振りをするイチロー
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 マーリンズがイチロー外野手(42)との来季契約延長を5日(日本時間同日深夜)にも発表することが2日(同3日)、分かった。来季契約は年俸200万ドル(約2億200万円)で球団に選択権があり、それを行使しての残留が確実視されていた。大リーグはこの日がレギュラーシーズン最終戦。イチローはナショナルズ戦に代打出場し、右前打で16年目のシーズンを終えた。現役最年長野手は、来季も南国マイアミで背番号51のユニホームに袖を通す。

 今季を象徴する「一本締め」だ。通算2500試合出場とも重なった節目の一戦は、5回先頭で代打起用され、この試合で20勝目を挙げ最多勝を獲得した剛腕シャーザーの95マイル(約153キロ)の直球を痛烈に右前へはじき返した。速球に力負けしない打撃。今季目指してきた姿だった。

 「そりゃ(安打が)出た方がいいでしょ。そんなこと当たり前。聞くまでもない」。言葉は素っ気なくても、表情には充実感が漂った。

 今季はスイングのシンプル化を図り、トップの位置からコンパクトにボールにぶつける形に変えた。昨季より73打席少ないながら4本増やして95安打、11年以降では自己ベストの打率・291で終えた。6月にピート・ローズの持つ大リーグ最多4256安打を日米通算で上回り、8月にはメジャー通算3000安打を記録。結果以上に確かな手応えをつかんだ。

 来季契約は年俸200万ドルでの選択権を球団が持つ。球団首脳はシーズン中から高い貢献度と評価を口にしており、それを行使しての残留が確実視されてきた。球団関係者はこの日は言及を避け、5日にデービッド・サムソン球団社長ら、幹部がシーズン総括会見に臨む予定だけを伝えた。昨年同様にその場で契約延長が発表される見込みだ。

 終盤までプレーオフを争ったチームは、最終的に79勝82敗と負け越した。「いろんな意味で起伏がありましたけど、僕自身がやろうとすることは変わらなかったと思う」とイチロー。「50歳まで現役」と掲げる現役最年長野手は、以前よりも軽やかな足取りで17年目のシーズンを踏みだす。(ワシントン・笹田 幸嗣通信員)

 ≪来季達成予想記録≫歴代25位のメジャー通算3030安打で終えたイチロー。来季もここ2年とほぼ同じ100本前後の安打を想定した場合、R・カルー(3053)、R・ヘンダーソン(3055)、C・ビジオ(3060)、C・アンソン(3081)、D・ウィンフィールド(3110)、A・ロドリゲス(3115)の6人を抜き、歴代19位となることが期待される。日米通算では4308安打で、4400安打到達を目指す。また現在日米通算3451試合出場で、P・ローズのメジャー記録3562試合出場を抜く可能性も十分にある。

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