ソフトB柳田「自分ではそのつもり」CS間に合う 32日ぶり実戦復帰

[ 2016年10月4日 08:00 ]

試合前のアップをする柳田
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 右手薬指骨折で戦列を離れていたソフトバンク・柳田悠岐外野手(27)が3日、秋季教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」の楽天戦(宮崎アイビー)に「4番・中堅」で臨み、32日ぶりに実戦復帰した。2回終了後に降雨ノーゲームとなったが、1打数1安打1盗塁をマーク。8日からのロッテとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージへの出場に大きく前進した。

 ブランクなどみじんも感じさせない。2回だ。先頭で打席に入った柳田は、楽天右腕のソン・チャーホウ(宋家豪)が投じた145キロの直球を豪快に空振り。これでウオーミングアップは終了。そして2ボール1ストライクからの4球目。今度は外角への146キロを左前にはじき返した。

 「久しぶりに野球やって楽しかったし、打てないよりは良かったかな。思っていたよりもバットが振れたし、普通に野球ができる状態。不安なところもあまりない」

 育成選手が相手とはいえ、ソンの初回は3者連続三振。ただ、柳田は昨季のパ・リーグMVP。役者の違いをまざまざと見せつけ、1死後には悠々と二盗にも成功した。降雨が激しくなり、2回終了時にノーゲームとなったが、まさに“一発回答”だった。

 9月1日の西武戦(西武プリンスドーム)の守備中に打球を当てて右手薬指を骨折。全治6週間との診断を受けた。当初から工藤監督は「野球選手と普通の人では違う。もっと早く治る」と話してきたが、指揮官の見立て通り、驚異の回復ぶりで約1カ月で実戦復帰を果たした。それも9月25日にティー打撃を再開し、同30日にマシン打撃。翌10月1日にフリー打撃を始めたばかりの急ピッチ調整で、実戦復帰初打席で安打を放つのだから、やはり超人だ。

 これで8日に開幕するCSファーストSへの出場も完全に視界に入った。「あとは首脳陣の判断になりますが、自分ではそのつもり」と話した上で、「シーズンは悔しい思いをしたので、その分、短期決戦で暴れたい」と力強く言い切った。

 当初、この日はDHで出場予定だったが、4日以降も悪天候が予想されることで、首脳陣から「守れるならやっておくか?」と打診され、中堅守備にも就いた。守備機会はなかったものの「スローイングも大丈夫」と手応えを口にした。

 水上2軍監督は「凄く振れていた。あれだけ振れれば十分」と太鼓判を押し、1軍首脳陣に報告を上げた。柳田は5日までフェニックス・リーグに出場し、6日に1軍の練習に合流する見込み。「しっかりと“使えるな”と思われるような準備をしたい」。3年連続日本一を目指すチームに、この男はやはり欠かせない。 (田中 貴久)

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