阪神 桜美林大・佐々木千1位指名へ 高山当てた金本監督“神の手”再び

[ 2016年10月4日 05:30 ]

桜美林大の佐々木千
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 今年も「神の手」で金の卵をつかみ取る!阪神が20日のドラフト会議で桜美林大・佐々木千隼投手(22)を1位指名する方針を固めたことが分かった。最速153キロの即戦力右腕は現時点でも3~4球団の競合が予想される状況で、金本知憲監督(48)が昨秋ドラフトと同様にクジ引き役に内定していることが判明。ヤクルトとの抽選で高山を引き当てた1年前の再現に期待が高まる。

 即戦力投手の補強を目指す阪神がドラフト1位候補を絞り込んだ。即戦力投手では「BIG2」とも言える創価大・田中と桜美林大・佐々木で候補に熟考を重ねてきた結果、佐々木を1位指名する方針を固めた。

 佐々木は1メートル81、83キロの恵まれた体格から最速153キロの直球を投げ込む右スリークオーター。9月25日の首都大学リーグ・日体大戦で今春からの連続無失点を53イニングまで伸ばし、巨人・菅野が東海大時代にマークしたリーグ記録に肩を並べた事実からも実力はうかがい知れる。7月には日米大学野球で開幕投手を務めて7回1失点12奪三振の快投も披露し、マウンド度胸も申し分ない。今春に右肩を痛めた田中とは対照的に大きな故障歴が無い体の強さも魅力で、1年目から先発ローテーション入りが狙える即戦力右腕だ。

 もちろん、これだけの逸材は全12球団が1位候補にリストアップ。ヤクルトも1位最有力候補に挙げるなど3~4球団による競合が予想される。だが、心配はご無用。抽選になった場合も阪神には頼もしい“武器”があった。金本監督の「神の手」だ。昨年と同様、ドラフト1位指名で他球団と競合した場合のクジ引き役に内定。球団幹部は「もちろん、今年も監督にお願いすることになると思います」と明言し、指揮官自身も周囲に「今年も当てる」と意気込んでいるという。

 思えば、1年前のドラフト会議でも“ドラマ”を巻き起こした。事前に1位指名を公表していたヤクルトとの競合覚悟で指揮官の強い希望から明大・高山を1位指名。後からクジを引いた真中監督が外れを「当たり」と勘違いして大喜びし、実は当たりクジをつかみ取っていたのは金本監督の左手だった。その瞬間の心境を「445号(本塁打)の時を思い出した。ビデオ判定の逆転ホームラン」と表現して喜びを爆発させた虎将。今年も歓喜の再現を狙う。

 競合の末、獲得に成功した高山は入団1年目の今季、いきなり球団新人最多安打記録を更新する136安打を放つなど期待通りのパフォーマンスを見せ、主力候補の一角に台頭した。他球団との競合を恐れず、将来的に一流になる可能性を秘めた素材を果敢に指名した結果だ。今年も競合は覚悟の上で、将来のエース候補獲得を目指す。

 ◆佐々木 千隼(ささき・ちはや)1994年(平6)6月8日生まれ、東京都日野市出身の22歳。日野高では1年夏からベンチ入りし、3年夏は西東京大会8強。首都大学リーグの桜美林大では1年時(2部)から登板。最速153キロにスライダー、カーブ、チェンジアップなど変化球も多彩。今年の日米大学野球では侍ジャパン大学日本代表に選ばれた。1メートル81、83キロ。右投げ右打ち。

 ▽15年ドラフト会議の抽選VTR 明大・高山の1位指名で阪神とヤクルトが競合。クジの入った封筒を素早く開けたヤクルト・真中監督は、ドラフト会議のロゴを「当たり」と勘違いしてガッツポーズ。その姿を見た阪神・金本監督は自らのクジを「外れ」と思い込み、「交渉権確定」の判を確認することなく引き揚げた。真中監督の喜びのインタビューの直後、両球団のクジを確認した日本野球機構が抽選結果を訂正した。

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2016年10月4日のニュース