世紀の大逆転劇を振り返る メークドラマに神様、仏様、稲尾様!

[ 2016年10月4日 08:30 ]

<西・日>胴上げされる日本ハム・栗山監督
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 日本ハムが最大11.5ゲーム差をひっくり返し、4年ぶりにパ・リーグを制した。思い返すと6月中にソフトバンクが史上最速マジック点灯か?と幾度となく言われた。そんな状況でも戦い続け、15連勝を記録し、ケガ・不調の選手が出ても、手を替え品を替えやりくりした栗山英樹監督の手腕と、それに応えた選手の成長と底力が光った。

 過去にはこの11.5ゲーム以上の差をひっくり返しての大逆転優勝劇もあった。4つの例を振り返ってみよう。

◎1963年:西鉄/最大14.5ゲーム差

 日本プロ野球史上最大の逆転劇。シーズン序盤から独走していた南海に最大14.5ゲーム差をつけられたものの、夏場以降に怒涛の連勝ラッシュ。南海が全日程を終了した時点でも1ゲーム差をつけられていたが、最終4連戦に4連勝して逆転優勝を果たす。

 最後に1敗でもすれば南海との同率プレーオフになるところだったため、まさに奇跡の4連勝だった。

◎2008年:巨人/最大13ゲーム差

 「メークレジェンド」と呼ばれた逆転劇。首位を快走する阪神に最大13ゲーム差をつけられ、一時は優勝マジックの点灯も許したが、阪神との直接対決7連勝などもあってセ・リーグ新記録の逆転優勝を飾った。

 若手や中堅選手を次々に登用した巨人の猛追もさることながら、阪神の失速が目立ったペナントレースともいえる。

◎1996年:巨人/最大11.5ゲーム差

 首位・広島に最大11.5ゲーム差をつけられていたが、伝説の「札幌円山球場の9者連続安打7得点(広島戦)」をきっかけに優勝まで駆けぬけた。これが有名な「メークドラマ」。

 ちなみに、「メークドラマ」と「メークレジェンド」では大逆転優勝を果たしているが、「メークミラクル」では逆転優勝の事例はないので誤解のないように。

◎1958年:西鉄/最大11ゲーム差

 「神様、仏様、稲尾様」のシーズン。首位・南海に最大11ゲーム差をつけられたが、西鉄の稲尾和久が後半戦のチーム36勝のうち31勝にからむ驚異の活躍もあって逆転優勝。打線では大下弘、中西太、豊田泰光らを擁し、「野武士軍団」として相手を震え上がらせた。

 ちなみに、巨人との日本シリーズにおける「3連敗後の4連勝」もこの年だ。

 なんだかんだ言っても、ファンは大逆転が大好き。「そもそも前半戦で大差をつけられなければいいのに」といった正論はさておき、選手の総年俸が約27億円の日本ハムが、総年俸約54億円のソフトバンクを打ち破る、という背景もよかった。

 さて、これからのクライマックスシリーズ。またここで逆転! ……といったことは起こるのだろうか? それともシーズンの勢いのまま、リーグ優勝を果たした球団が日本シリーズに進むのだろうか?(『週刊野球太郎』編集部)

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