陽岱鋼 国内FA権行使へ 阪神、楽天など争奪戦必至

[ 2016年9月29日 07:35 ]

<西・日>優勝が決まった瞬間、歓喜のハイタッチをする陽岱鋼(右)

パ・リーグ 日本ハム1―0西武

(9月28日 西武プリンス)
 日本ハムの陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)外野手(29)が、今オフに国内フリーエージェント(FA)権を行使することが28日、濃厚となった。プロ11年目の今季は打率・292、14本塁打、61打点をマークし、4年ぶりのリーグ優勝に貢献した。ポストシーズン終了後にも正式に球団に申し入れるが、FA宣言すれば、国内の他球団による争奪戦に発展することは必至だ。

 陽岱鋼は今年4月25日に国内FA権の資格取得条件を満たし、熟考に熟考を重ねてきた。今オフのFA権行使について、近い関係者には「本当に自分を必要としてくれるチームでやりたい」と漏らしており、行使する意思を固めている。

 台湾生まれで福岡第一から05年高校生ドラフト1巡目で日本ハムに入団。プロ11年目を迎えた今季も走攻守で存在感を見せつけ、4年ぶりのリーグ制覇に貢献した。8月には守備でフェンスに激突した際、右肋骨にひびが入った。それでも出場を続け、21日の首位攻防となったソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では中堅守備で2度のスーパーキャッチを見せ、勝利に導いた。今季は慢性的に痛めていた右肩の状態も良く、3度ゴールデングラブ賞を受賞したトップレベルの外野守備はもちろん、13年に盗塁王を獲得した走力、さらには一発を秘める強打も魅力的だ。

 FA権を行使する背景には「僕の野球人生。家族もいる。一年でも長く野球がやりたい」という強い思いがある。プロ入りから過ごした北海道への愛着は強く、妻、娘とともに居を構える。ただ、昨オフ、球団に複数年契約を希望したが、交渉は難航。単年契約で4000万円減となる年俸1億6000万円の提示に一度は保留した。最終的に出来高がプラスされてサインしたが、一年でも長くプレーするためにも複数年契約を望んでいる。今後、球団側はFA交渉で引き留めるものの、原則、FA権を行使しての残留は認めていない。そのため、移籍の道を選ぶことが濃厚だ。

 FA宣言すれば、国内の他球団による争奪戦が繰り広げられる。既に本格的な調査に乗り出している同一リーグの楽天、セ・リーグでも阪神など複数球団が参戦する可能性は高い。陽気な性格で野球ファンからの人気は高い。台湾では国民的スーパースターでもあり、その動向に注目が集まる。

 ◆陽 岱鋼(よう・だいかん)1987年1月17日、台湾生まれの29歳。福岡第一から05年に高校生ドラフト1巡目で日本ハムに入団した。12~14年にゴールデングラブ賞、13年に盗塁王を獲得。台湾代表として06、13年WBCに出場した。08年に同じ台湾生まれで、元モデルでタレントの謝宛容(シェ・ワンロン)夫人(31)と結婚した。1メートル83、89キロ。右投げ右打ち。

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