西武・高橋光 涌井に勝った!今季1勝 右頬骨折、コリジョン乗り越え

[ 2016年5月20日 05:30 ]

<ロ・西>今季初勝利の高橋光はウイニングボールを受け取る

パ・リーグ 西武2―1ロッテ

(5月19日 QVCマリン)
 西武の高橋光成投手(19)が19日のロッテ戦で6回を6安打1失点に抑え、今季4度目の先発登板で初勝利を挙げた。3月に右頬を骨折するアクシデントがあり、1軍合流後も今季採用されたコリジョン(衝突)ルールの初の適用者に…。ルーキーだった昨季の5連勝で実力を証明済みの右腕が、かつての西武エース涌井に投げ勝ち2016年の第一歩をしるした。

 勝ち運に恵まれた救世主が、その姿を取り戻した。勝負どころは自慢の速球で力勝負――。それが高橋光だ。ルーキーだった昨季、チームが13連敗を喫した夏場にデビューし、8月から9月にかけて5連勝するなど苦境を救った。あの「ヤングレオ」が帰ってきた。

 「コントロールはばらついていたけど、一番自信があるのは直球なので」

 初回1死一、三塁のピンチで、4番・デスパイネを内角低めの146キロ直球で投ゴロ併殺。2回は無死一塁でナバーロを内角の145キロ直球で遊ゴロ併殺に仕留めた。3回の2死一、二塁の場面でも、デスパイネを外角高めの146キロ直球で中飛に打ち取った。

 「きれいな直球と少し動く直球がある。投げてみないと分からないけど、力で抑え込んでいた」と正捕手の炭谷。荒れ球も武器だ。この日最速は3回に根元から空振り三振を奪った152キロ。1メートル89の大きな体を目いっぱい使ったダイナミックなフォームで、ミット目掛けて腕を振った。

 「相手は5勝を挙げているエースの涌井さん。最少失点という気持ちだった」。4回に与えた1点にとどめ、6回まで投げて今季4度目の先発で初勝利。「1勝もできなくて気持ちに余裕がなかったけど、これをきっかけに勝っていきたい」と笑顔を見せた。

 2年目は開幕ローテーション候補として期待されながら、開幕は2軍。3月20日にはイースタン・リーグのヤクルト戦(戸田)で審判からの球が顔に当たって右頬を骨折した。「1週間ぐらいは食事をするのも痛くて、寝返りもできなかった」。1軍昇格後の6日の日本ハム戦(西武プリンス)では暴投で本塁ベースカバーに入った際のクロスプレーで倒れ込み、走者・浅間のスパイクが顎に直撃して出血…。コリジョンルールの初の適用者となった場面で、潮崎ヘッド兼投手コーチが「今年の光成は顔にケガが多くてついてないなと思った」と苦笑いするほど受難続きだった。

 未来のエース候補の力投で、チームは4月8、9日のロッテ戦以来、11カードぶりの勝ち越しを決めた。借金7の5位と苦境に変わりはないが、「若手が一生懸命やることでいい雰囲気になれば」と高橋光。シーズン残りちょうど100試合。この勝利を反転攻勢の足掛かりにする。 (重光 晋太郎)

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