ロッテ中村 頭部死球→鉄人弾!“観覧車5周分”猛攻演出

[ 2016年5月6日 05:44 ]

<楽・ロ>9回表1死一、二塁から3ランを放つなど4安打の中村

パ・リーグ ロッテ15-8楽天

(5月5日 コボスタ宮城)
 その瞬間、ロッテ・中村は打席付近で倒れ込んだ。7回無死二塁、送りバントを試みた打席で142キロ直球が左側頭部を襲った。死球を与えた楽天・福山は危険球退場の処分を受けた。だが、中村はすぐ立ち上がり「痛みも衝撃も少しあったけど大丈夫だった。体調が悪くなったら代わろうと思ったけど、気分が悪くなかったので代わる気はなかった」とフル出場した。

 死球を受けてもバットは止まらなかった。8回に3安打目となる左前打を放つと、1点を追う9回に10―8と逆転し、なお1死一、二塁で松井裕からダメ押しの左越え3号3ラン。「しっかりタイミングが取れている。ボールが長く見えるように早めに足を上げてゆっくり下ろすのを心掛けている」と胸を張った。

 危険球退場となる頭部死球を受けた後に本塁打を記録したのは、球団史上初。08年5月7日には現監督の阪神・金本が巨人戦(東京ドーム)で記録している。中村もまさに「鉄人」級の働きだ。試合後にベンチ裏で謝罪に訪れた福山に笑顔で対応し、念のため仙台市内の病院に向かい「骨に異常なく左側頭部打撲」と診察された。プロ2度目の4安打を放った2年目の23歳は、この楽天3連戦で12打数8安打と大当たり。打率を・231から一気に・282まで上げた。

 8点を奪った9回の攻撃は約30分間続いた。コボスタ宮城の左翼後方にある観覧車が5周するほどの猛攻。今季最多タイの18安打を放ち連敗は3でストップした。伊東監督は「あんなに打つなら最初から打て」と笑い「よくひっくり返してくれた」とねぎらった。(渡辺 剛太)

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