梶谷三盗→本盗!石川の緩いけん制隙突いた「観察と勇気ですね」

[ 2016年5月6日 05:35 ]

<D・ヤ>1回1死一、三塁、一塁けん制の間に本盗する梶谷。捕手、中村

セ・リーグ DeNA4-2ヤクルト

(5月5日 横浜)
 決めた、単独ホームスチール!DeNAの梶谷隆幸外野手(27)が5日、ヤクルト戦で本盗を含む1イニング2盗塁の好走塁を見せた。1―0の初回1死一、二塁でまずは三盗に成功。一、三塁となり、ヤクルト・石川雅規投手(36)が一塁へ緩いけん制球を投げた隙を突いて、自身初となる本盗を決めた。この日は無安打も、足でチームの勝利に貢献した。

 梶谷は三塁塁上でマウンドへ目を光らせていた。1点を先制した初回、なおも1死一、三塁の好機。石川が一塁けん制の動作を始めた瞬間、本塁へとスタートを切った。一塁手から本塁送球が来る。頭から滑り込むと、右手を捕手のミットの下に滑り込ませた。しかし、判定はアウト。すると、にこやかな表情で球審に「セーフじゃないですか?」と尋ねた。この日2度目となったビデオ判定で本塁生還が認められ、ベンチでは白い歯をこぼした。

 試合後、梶谷は「観察と勇気ですね。いつけん制するんだよと思っていて“来た!”と。後ろから見ていて、けん制の動作は分かっていた。暴走と紙一重だが、一歩踏み出さないといけない」と胸を張った。そして続けた。「愛と勇気が友達なので」

 こどもの日に「アンパンマン」のように「勇気りんりん」の走りを見せた。ヤクルトは投球直前に併殺シフトだった二遊間が前にダッシュするトリックプレーを仕掛けてきた。二塁をフリーにした前進守備と思わせて石川が一塁けん制する作戦だったが、梶谷は逆にけん制時の大きなモーションの隙を突いた。捕手のブロックを規制する「コリジョン(衝突)ルール」も頭にあり、思い切ってスタートを切った。

 左脇腹痛が完治し復帰戦となった前日の4日に決勝打を放った男が、この日は無安打ながら14年盗塁王の足で魅せた。自身初だった本盗の前には三盗にも成功。昨年から13・5キロ増の過去最高体重の92キロとパワーアップしたが、スピードも健在だ。本盗では捕手・中村との接触もあったが、ケガを恐れずヘッドスライディング。「あれで大丈夫ならもう大丈夫」と笑った。

 DeNAは今年球団創設5周年。5月5日のこどもの日は5戦4勝と好成績を残している。連勝で今季2度目のカード勝ち越しを決めたラミレス監督は「子供たちに勝利を届けられて良かった。梶谷がラインアップにいてくれてうれしい」とヒーローを称えた。 (中村 文香)

 ▼ヤクルト・三木ヘッド兼内野守備走塁コーチ(梶谷の本盗について)石川の緩いけん制を狙われた。梶谷君がうまく突いた。

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