新垣 6回4失点で283日ぶり白星!金子のマネで力み取れた

[ 2016年4月29日 05:30 ]

<ヤ・広>6回4失点で今季初勝利を挙げた新垣

セ・リーグ ヤクルト6―4中日

(4月28日 神宮)
 降りしきる雨の中で、安どの笑みがこぼれた。今季初登板初先発のヤクルト・新垣がお立ち台に上がった。「最高です!」。6回4失点で、昨年7月20日のDeNA戦(横浜)以来283日ぶりの白星を手にした。

 初回に2失点とつまずいた。しかし、その裏6点のプレゼントをもらい「少し肩の力を抜いて投げられた」と立ち直った。走者を背負ってのセットポジションでは膝を折り曲げる新フォームで力みを取った。オープン戦を終え2軍落ちした時、気分転換で試したのがオリックス・金子流フォーム。「遊びでマネをしたら(体が)突っ込まないで投げられるようになった」と継続して取り入れている。かつてのような剛球はないが、要所で奪った三振は7個を数えた。リーグワーストのチーム防御率5・38と苦しむ投手陣。特に先発投手が早々に大量失点を喫する場面が目立っていた中で、ベテラン右腕が耐えた。

 「新垣、1軍にあり」を示した。2月の春季キャンプ中のこと。電話口の向こうから、14年途中まで在籍したソフトバンクの旧友たちの声が聞こえてきた。5年ぶりに日本球界に復帰した同年代の和田や松坂らが宮崎市内で開いていた「80年会」だった。「車で40分くらいだろ?今から来いよ」と言われ、即座に突っ込んだ。「俺、沖縄だよ!」。ヤクルトの1軍キャンプ地は沖縄県浦添市、2軍のキャンプ地は宮崎県西都市。「2軍だと思われていたよ」と苦笑いだった新垣が、今季初めてつかんだチャンスをものにした。

 チームの連敗を3で止めた。それでも新垣は「次はもっといい投球をしないと勝てない」とキッパリ。35歳はまだまだ、輝きを失うつもりはない。 (町田 利衣)

続きを表示

この記事のフォト

2016年4月29日のニュース