由伸監督限界!沢村ブチ壊し、今季4度目救援失敗に初の途中交代

[ 2016年4月29日 05:30 ]

<神・巨>9回、2点のリードを守り切れなかった沢村に高橋監督(左から2人目)は厳しい表情

セ・リーグ 巨人3―3阪神

(4月28日 甲子園)
 仏の指揮官も3度まで――。巨人は28日、阪神と延長12回を戦った末、今季3度目の引き分け。沢村拓一投手(28)が9回に2点差を追い付かれた。救援失敗は今季4度目となり、高橋由伸監督(41)はイニング途中で初めて降板させた。菅野智之投手(26)が自己最多タイの12三振を奪い、8回1失点。しかし、守護神が22日のDeNA戦に続いてエースの白星を消す展開となり、高橋監督は厳しい決断を下した。

 感情を押し殺した顔で、高橋監督がベンチ裏へ消えた。スルリと逃げた甲子園での3連勝。9回、2点リードを守れなかった守護神・沢村を、今季初めて回の途中で降板させた。厳しい采配から時間がたっての延長12回引き分けには淡々としたものだった。

 「きょうの展開としては最後に沢村で締めるというのが、うちとしての流れだと思う。そういう展開だったと思いますね」。仕上げの3つのアウトを任せた沢村が、またしても精彩を欠いた。先頭の5番・ゴメスに144キロ直球を軽々と左中間席へ運ばれた。さらに若手の北條と江越に安打を浴び、1死二、三塁。育成から支配下登録されたばかりの代打・原口にも初球を簡単に中堅へ打ち上げられた。同点犠飛。顔は青ざめていった。

 今季リードした場面で救援し、追いつかれるのは4度目。「非常に情けない投球。勝ちきれなかったのは僕のせい。チームに申し訳なかった」。守護神は4度も「情けない」を口にした。指揮官はここまでの3度は我慢してその回を任せた。しかし、この日は我慢も限界に達した。なお2死二塁。左打者の高山を迎え、厳しい表情でベンチから出た。左腕の山口をコール。「投げる回数も多い。抑える時もあれば打たれてしまう時もあるでしょうから、だからといって何がというのはない」。配置転換する考えはないものの、この日は「同点まで?そうですね」と厳しさを見せた。

 6日前の悪夢が再現された。22日のDeNA戦(東京ドーム)。エース菅野が2回に右手中指のマメをつぶし、流血しながら7回を無失点に抑えた。だが、沢村が1点のリードを守れずに延長12回の末に引き分け。菅野はこの日も8回を1失点(自責0)。連続イニング無失点は30で止まったがマメの影響を感じさせず自己最多タイの12三振を奪った。2試合続けて白星が消えたが「本人が一番つらいと思う。沢村さんに助けられている試合は何試合もある。責める人はいないと思う。僕は気にしていません」と守護神をかばった。

 今季は延長戦で3勝3分けと負けていない。だが、ここ2試合の引き分けは沢村の乱調が招いた。今季初の甲子園での伝統の一戦は2勝1分け。それでも、高橋監督は「昨日、おとといの勝ったものは、それで終わっていること。今日どうだったというのしか頭にないですから」と3連勝を逃した悔しさを見せた。 (春川 英樹)

 ≪巨人27年ぶり30イニング0封≫菅野(巨)が8回を1失点(自責0)と好投。13年5月18日西武戦と並び自己最多タイの12三振を奪った。5回に失策絡みで失点するまで、3月31日DeNA戦の8回から2完封を挟み30イニング連続無失点。30イニング以上の連続無失点は昨季の大谷(日=35イニング)と藤浪(神=32イニング)以来で、巨人では89年の斎藤と香田(ともに30イニング)以来27年ぶりだ。これで4月は33回を投げて自責点0。2リーグ制以降、月間30イニング以上で防御率0・00は63年9月中井(神)、70年10月村山(神)、01年6月石井一(ヤ)に次ぎ4人目。巨人では初めてとなった。

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