ライアン小川、CS初登板でG狩り!初回けん制で勝負あり!

[ 2015年10月16日 05:30 ]

<ヤ・巨>2回2死満塁、マイコラスを空振り三振に仕留め、ガッツポーズする小川

セ・リーグCSファイナルS第2戦 ヤクルト4―0巨人

(10月15日 神宮)
 ヤクルト・小川の快投の要因は初回にあった。先頭の立岡に初球を左前打された後だった。次打者・片岡の1ボール1ストライクから、立岡の逆を突くけん制を入れタッチアウト。相手の先制機を摘み取り「足を使ってくるのは分かっていた。速いけん制を見せようと思った」と振り返った。

 足を高く上げ、1メートル71の小柄な体をフルに生かす投球フォームゆえ、セットポジションからのクイック投球は入団時からの課題。だが、クイックを意識するあまり、投球間の間合いの長さや、打者との勝負への意識が薄れることもあった。そんな時、高津投手コーチから「走者を進めないようにするのはクイックだけじゃない」と言われた。

 けん制の得意な広島・前田健の動画も見た。日々のキャッチボールの最後にはけん制を入れた。試合前、高津投手コーチは8月5日の巨人戦(神宮)の映像を見た。小川が今季1つだけ、けん制でアウトにした場面だ。しかも刺した相手は立岡。同コーチは「映像がだぶったよ。不器用な選手だけど、純粋に練習してきた結果」と称えた。

 連敗すれば巨人に流れが傾く一戦。しかもCS初登板で8回5安打無失点に抑えた。コーチ陣から「3、4点取るから」の声が平常心を生んだ。さらに「絶対、連敗できないと思って最初から飛ばした。開幕戦、優勝が決まる試合と投げてきたのでその経験が大きかった」と自分を信じた。

 リーグ優勝決定後にはレッドソックスの上原から祝福メールが届いた。「優勝おめでとう。まだまだCSがある。しっかり調整してな」。トレーナーが上原と旧知の間柄だったことから2年続けてオフに合同自主トレを行い、今年1月には「大谷、藤浪だけじゃない。小川なんだ」と3年目の飛躍を期待する励ましの言葉を掛けられた。4回無死一塁。その上原直伝のスプリットで長野を遊ゴロ併殺に仕留めた。

 最終第6戦にもつれ込んだ場合は、中3日で救援待機が濃厚。巨人を叩くために、次へと目は向いている。「ここまで来たら絶対日本一を獲るつもりでみんな戦っている」。小柄な背中が大きく見えた。 (東尾 洋樹)

 ▼ヤクルト・バーネット(4点リードの9回に登板し1回1安打無失点)セーブ機会でなくても、行けと言われれば行く。

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