巨人、響いた判断ミス…阿部、2つのセオリー見失った野選

[ 2015年10月16日 07:30 ]

<ヤ・巨>4回1死三塁、雄平の打球を捕球した阿部は三走・山田が飛び出していたため三塁に送球

セ・リーグCSファイナルS第2戦 巨人0―4ヤクルト

(10月15日 神宮)
 三本間の攻防。阿部の判断ミスが巨人に重く響いた。4回、1点を失い、なお1死三塁。雄平が強い当たりの一ゴロを放つと、三塁走者の山田はスタートを切った後、塁間で止まった。ここで、ゴロを処理した一塁・阿部が即座に三塁へ投げてしまい、この間に山田に2点目の生還を許した。痛すぎる野選だった。

 山田へのサインはゴロを打った瞬間に走る「ゴロゴー」。しかし、当たりが強すぎ、山田は「無理だと思い、挟まれようと思った」。挟殺プレーの間に、打者走者の雄平を一つでも先の塁に進める。あくまで走者の動きはセオリー通りだ。

 だが、この動きを見て阿部は「戻るそぶりがあって、それに(つられた)」と三塁へ送球。山田は「投げた瞬間にいけると思った」と迷わず本塁へ突入した。阿部は山田に惑わされ、内野手としての2つのセオリーを見失ってしまった。

 一つは、確実に挟殺プレーで仕留めるべく、ボールを持ったまま山田にチャージを掛けることだ。走者に近づきながら「目」で足を止めるのが鉄則。川相ヘッドコーチは「(山田が)だいぶ(三本間の)真ん中まで行っていたから、距離を詰めて追った中で、どちらかに投げればよかった」と説明した。もう一つのセオリーは、足止めをした上でどちらかの塁に投げるのであれば、より先の塁が基本。この場合は本塁だ。アウトにできなくても、進塁を防ぐという最低限の処置ができた。

 CS開幕直前、凡ミスを防ぐ大切さを「それも重要。定石ということですね」と強調していた原監督は、この日の阿部のプレーを「防げたミスだと思いますよ」と残念がった。今季から、捕手から一塁手へと転向した阿部。バットでは3安打し、2戦連続、CS通算ではセ・リーグ最多タイとなる3度目の猛打賞をマークしたが、「2点目を与えてしまったのが申し訳ない」と悔やみきれない様子だった。 (大林 幹雄)

続きを表示

この記事のフォト

2015年10月16日のニュース