阪神、カブス戦力外の和田を獲得調査 ソフトバンクと争奪戦も

[ 2015年10月16日 05:45 ]

阪神が獲得調査していることが分かった和田

 阪神がカブスを戦力外となった和田毅投手(34)の獲得調査をしていることが15日、分かった。今季は先発5、6番手の不在に泣かされており、来季からの新体制づくりへ向け先発投手は補強ポイントの一つ。ダイエー、ソフトバンクで日本通算107勝を誇る左腕に、今後も熱視線を送る。

 新監督擁立へ金本氏との交渉が最終局面に突入した阪神が、並行して来季への戦力補強も着々と準備を進めていた。その第1弾が、12日(現地時間11日)に大リーグのカブスを戦力外となった和田だ。日本通算107勝左腕の動向にいま、注目している。ある球団関係者が明かした。

 「日本であれだけの成績を残した選手。うちの補強ポイントとも合致するし、今後も調査はしていくと思います」

 阪神が優勝戦線から後退した原因の一つに先発枠の5、6番手を固定できなかったことが挙げられる。阪神の今季の先発勝利は藤浪14勝、能見11勝、メッセンジャー9勝、岩田8勝。この4本柱に続くのが岩崎の3勝と、11年ぶりのリーグ優勝へ課題は明白だ。

 和田はプレーオフ地区シリーズの出場メンバーから漏れた際に「中継ぎやマイナーでもいいから米国にいたいと思うのか、それとも日本に戻りたいと思うのか。今はまだ冷静に考えられない」と話しており、日本球界復帰の選択肢も視野に入っている。

 ダイエー、ソフトバンクに在籍していた9年間は、入団から5年連続2ケタ勝利をマーク。エースとして2度の日本一に貢献した。特に新人だった03年の日本シリーズでは、3勝3敗で迎えた第7戦で勝利投手になるなど、阪神にとって印象深い選手とも言える。

 メジャー・リーグで過ごした12年からの4年間は同年に左肘を手術するなど、ケガに泣かされた。カブスで2年目となった今季もキャンプ中に左大腿を故障。開幕には間に合わず5月20日に先発で初登板したものの、6月下旬に左肩三角筋炎症で再び故障者リスト(DL)に入った。8月上旬にはマイナーへ降格し、8試合で1勝1敗、防御率は3・62。単年契約のため、今後は自由契約となることが濃厚だ。

 来季は35歳となるが、チームとしては戦力になり得ると判断。高い投球術は健在で、野球に対する真摯な姿勢にも定評がある。古巣ソフトバンクが獲得に名乗りを上げるのは確実で、ヤクルトなども興味を示している。今季年俸が400万ドル(約4億8000万円)とされる高額年俸はネックだが、慎重に調査を継続していく構え。獲得に成功すれば、新監督への大きなプレゼントとなりそうだ。

 ◆和田 毅(わだ・つよし)1981年(昭56)2月21日生まれ、島根県出身の34歳。浜田高、早大を経て02年ドラフト自由獲得枠でダイエー(現ソフトバンク)入団。03年に14勝で新人王を獲得して以降、先発陣の中心として活躍し、10年は最多勝とリーグMVP。11年オフにFA権を行使してオリオールズへ移籍も、左肘の故障で2年間昇格なし。13年オフにカブスへ移籍し、14年7月にメジャーデビュー。04年アテネ、08年北京五輪、06年WBC日本代表。1メートル80、81キロ。左投げ左打ち。

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