阪神、通算1万試合12球団初到達も…最悪の逆転サヨナラ負け

[ 2015年7月4日 05:30 ]

<D・神)>9回無死一塁、代打・後藤に右越え2ランを浴びた呉昇桓(手前)

セ・リーグ 阪神3-4DeNA

(7月3日 横浜)
 阪神が、横浜スタジアムで悪夢を見た。3日のDeNA戦は2点リードの9回に守護神・呉昇桓を投入も今季6度目の、まさかのサヨナラ負け。プロ野球史上初の通算1万試合を飾ることはできなかった。4連敗で借金1。首位・ヤクルトも敗れたため、これまた史上初のセ・リーグ全6球団が勝率5割を切り、中日を除く5球団が0・5ゲーム差以内の大混戦となった。

 歓喜のシャワーとなるはずが、悪夢の涙雨となった。3―1で迎えた9回。敵地・横浜スタジアムには、和田阪神にとってあまりにも非情な結末が用意されていた。守護神・呉昇桓が、まさかの3失点。今季6度目のサヨナラ負けは、痛すぎる一敗となった。

 「雨は関係ない。打たれたのはほぼ真ん中だった。切り替えてやるしかない。明日(4日)も試合があるからね」

 気丈に振る舞ったが、後に尾を引きかねない展開だった。先頭・バルディリスに中前打を許すと、3ボール1ストライクから代打・後藤に甘いカットボールを右中間スタンドへ放り込まれた。

 この時点で、先発メッセンジャーの6勝目は消滅。何とか延長に持ち込みたかったが、なおも1死二塁から石川に右中間を破られてしまった。6月23日の広島戦(長野)以来となる、今季4度目の救援失敗。中西投手コーチから「詰めて投げた方が良いのかな」と指摘されたように、28日のDeNA戦(甲子園)以来、中4日と登板間隔が空いたことも微妙な影響をもたらした。

 「(野球の怖さ?)そういうことだな…。ボールが先行してストライクを取りにいったところを打たれたね」

 会見場に現れた和田監督にもショックの色がありありと浮かんでいた。無理もない。この夜は球団創設80周年で、プロ野球史上初となる通算1万試合目。1985年に入団した指揮官にとっては選手、コーチも含めると通算4182試合目で、タテジマ31年目という期間も合わせ、チーム歴代トップを誇っている。

 試合前に報道陣からその話題を振られると、当然のことのように節目の一戦へかける意気込みを語っていた。「そういう試合は取りたいし、良いゲームをできるようにね。それが使命というかね」。ヤクルトの勝敗に関係なく、DeNAに勝ちさえすれば無条件で首位に返り咲いていた。しかし、もろくも崩れ去ったシナリオ。偉大な先人たちに渾身の白星を贈るはずが、それも叶わなかった。

 「こういうものを、乗り越えていかないといけない。明日やります」

 首位・ヤクルトも敗れ、ついに全6球団が借金生活となった。ゲーム差なしの2位とはいえ、いつまでも足並みを揃えているわけにはいかない。史上希に見る、混セを抜け出すために…。1万0001試合目から、新たな歴史を紡ぐしかない。(森田 尚忠)

続きを表示

2015年7月4日のニュース