鳥谷、節目の一戦で一発も空砲「あした頑張るしかない」

[ 2015年7月4日 08:00 ]

<D・神>6回2死、鳥谷は右越えソロを放つ

セ・リーグ 阪神3-4DeNA

(7月3日 横浜)
 記念すべき節目の一戦で、阪神・鳥谷が華麗なアーチをかけた。2点リードで迎えた6回。2死からの第3打席だった。フルカウントからの6球目。井納の高め速球を打ち返し、雨中の夜空に舞い上がった大飛球は右翼スタンドに消えていった。

 「追い込まれていたんで、何とか出塁するという考えが、いい結果につながったのかもしれない。高めのボールにうまく反応することができた」

 6月10日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)以来、15試合ぶりとなる4号ソロだった。そして、この本塁打はチーム通算7613本目。偉大な先人たちが築き上げた歴史と伝統の中に当然ながら鳥谷の名前も刻まれている。

 「(1万試合は)全然知らなかったし、試合をする上では特別な意識はしてなかった。ただ、そういう中(伝統あるチーム)でプレーできていることは光栄に思う」

 プロ1年目の04年開幕戦、チームにとって8345試合目からタイガースでプレー。9000試合目となった08年7月17日のヤクルト戦では現チームの中で唯一出場している。80年の歴史でも球団最長の1540試合連続出場中の背番号1は、常にチームの中心選手として戦ってきた。FA騒動で揺れた昨年オフ、球団幹部が「絶対に必要な選手。鳥谷くんありきのチーム編成になる」と強く訴えたほどだ。

 6月21日のヤクルト戦(甲子園)では背中付近に死球。その影響で6月28日のDeNA戦(甲子園)で5年ぶりに打順が7番に降格した。この夜も6番。現在でも背中の痛みに耐えながらグラウンドに立っている。

 しかし無情にもサヨナラ負けを喫した中での、空砲となった。連敗も「4」に伸びた。それでも先頭に立つ。「あした頑張るしかない。何とか勝って」。虎を引っ張る現主将の意地は、決して先人たちにも劣らない。(山本 浩之)

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2015年7月4日のニュース