バルデス“10度目の正直”初勝利、37歳左腕「皆さんに感謝」

[ 2015年5月20日 05:30 ]

<中・広>来日初勝利のバルデスはウイニングボールを手に笑顔

セ・リーグ 中日3―2広島

(5月19日 浜松)
 キューバからの亡命に5度失敗し、6度目の挑戦で成功した不屈の男。開幕から9試合勝てなかったぐらいで心が折れるはずがない。中日・バルデスが両リーグ単独トップ10度目の先発でつかみ取った1勝目。獲得交渉の窓口だった森ヘッドコーチに肩を抱かれると、笑顔がほころんだ。

 「大変長く待たせてしまったけど、勝てて本当にうれしい」

 7回7安打2失点で、広島・前田健に投げ勝った。過去9戦勝ちなしといえ、うち8試合はクオリティースタート(QS=6回以上、自責点3以下)。地方球場の不慣れなマウンドに苦しんで1、2回と連続失点したが「だんだん慣れて、制球良く投げられた」と修正した。9度目のQSで逆転勝利を呼び込んだ。

 亡命失敗で数週間の刑務所生活を経験。それでも野球で大金を稼ごうと、キューバ代表だった03年1月1日に小さなボートでドミニカ共和国にたどり着いた。亡命を手伝った兄・ホルヘさんが刑務所に10年間入れられるという犠牲を払い、最初に契約したカブスでは傘下マイナーで投手、外野手の二刀流もやった。06年に契約解除されると独立リーグへ。10年、メッツでメジャーデビューしたのは32歳の時だ。メジャーは5球団を渡り歩き、7勝を挙げた。

 忍耐を知る左腕に、谷繁兼任監督は「どんな状態でも次の試合に向けて準備して投げる。その単純な繰り返しができる」と信頼を置く。苦労人が負の連鎖を抜け、白星量産モードに入る。

 ◆ラウル・バルデス 1977年11月27日生まれ、キューバ・ハバナ出身の37歳。98年からキューバ国内リーグでプレーし03年にドミニカ共和国へ亡命。04年にカブスと契約。10年にメッツでメジャーデビューし通算7勝7敗2セーブ、防御率5・13。昨オフ、中日の外国人では62年ドビーの38歳に次ぐ高齢で入団。1メートル80、95キロ。左投げ左打ち。

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