楽天 一気逆転3連勝、デーブ監督「諦める雰囲気なかった」

[ 2015年5月20日 05:30 ]

<楽・日>8回裏、一気の逆転に盛り上がる楽天ベンチ

パ・リーグ 楽天7―4日本ハム

(5月19日 コボスタ宮城)
 またまた逆転勝ちで、デーブの顔もほころびっぱなしだ――。楽天は19日、本拠地での日本ハム戦で2点を追う8回に一挙5点を奪って逆転勝ち。1死二塁から中川大志内野手(24)の左越え適時二塁打で同点に追い付くと、2死一、二塁から藤田一也内野手(32)が中前に決勝打を放った。チームは3試合連続の逆転勝利で3連勝。上位浮上の兆しが見えてきた。

 ため息はすぐさま歓声に変わった。8回、3番手・武藤が中田に左越えソロを浴び、リードを2点に広げられた。球場に漂う敗戦ムードもベンチは違った。大久保監督が「武藤が打たれた後、ベンチは全く諦める雰囲気がなかった」と振り返るように、ナインの誰もが勝つと信じていた。

 直後の攻撃だ。先頭のサンチェスが中前打。後藤の左中間二塁打で1点差。ペーニャが空振り三振に倒れて1死二塁となったが、打席の中川は「チャンスなので絶対、打とうと思っていた」と気合を入れた。フルカウントからの6球目。「追い込まれたので、食らいつくしかない」と宮西の外角シンカーに泳ぎながらもバットを振り切った。打球は左翼フェンス直撃の同点打。試合を振り出しに戻した。

 こうなったら止まらない。2死一、二塁から藤田が宮西の外角スライダーを中前に運ぶ。二塁走者の中川が勝ち越しのホームを踏むと、中堅からの本塁返球がそれる間に一塁走者の牧田も一気に生還。決勝打を放った32歳は「(中川)大志が同点にして、俺に回って来い。俺がヒーローになりたいと思っていた」とお立ち台で胸を張った。

 この回一挙5得点で3試合連続逆転勝利。いずれも先制され、苦しい試合展開の中で終盤に打線が粘りを見せている。チーム打率・244、131得点はリーグ最下位。それでも大久保監督は「みんなが個人個人、対策を練っている結果。きのう(18日)も休みなのに練習して、きょうに対する準備ができていた」と勝利への執念に目を細めた。

 4月10日のオリックス戦(コボスタ宮城)以来、約1カ月ぶりの3連勝で借金は2まで減らした。選手会長の藤田は「交流戦まであと5試合。何とか借金を返したい」とファンに宣言した。

 西武、ソフトバンク、日本ハムの上位3チームとはまだ3ゲーム差以上あるが、その背中ははっきりと視界に捉えている。

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2015年5月20日のニュース