沈黙虎打線…わずか4安打で菅野初完封献上 マートン1番不発

[ 2015年5月20日 05:30 ]

<神・巨>8回2死一塁、マートンは菅野の前に一ゴロに倒れる

セ・リーグ 阪神0―8巨人

(5月19日 甲子園)
 阪神は3連敗で今季最多タイの借金5。虎ファンの不快指数が高まる一方的な展開だった。午後9時の時点で甲子園球場がある西宮市の湿度は73%。天候同様に虎打線も最後まで湿ったまま。わずか4安打で菅野にプロ初の完封勝利を献上する惨敗だった。

 「(菅野の調子は)良い方ではなかった。ビハインドをはね返す力がない。マートン(打順変更)も含めて(現状を)打開しようと言うこと。常に、どうやって点を取るかと言うところ」

 和田監督の表情からも苦悩がうかがえた。打線低迷が続く現状打破へ向けて再び打順の組み替えに着手。マートンをシーズンでは昨年9月11日の巨人戦(甲子園)以来となる1番に起用。攻撃型の布陣でも苦境は打開できなかった。

 マートンに訪れた最大の好機は6回。1死二塁からの第3打席、初球のスライダーに飛びついた打撃は平凡な二飛だ。2番へ打順変更した西岡も投ゴロに倒れて反撃の突破口はついえた。

 「(菅野の調子は)良くないよ。抑えられているから何も言えないけど…。展開だよ。先に点を取られて。向こうはストライクを取ってくるし」

 関川打撃コーチのフラストレーションも最高潮に達した。岩田が崩れて3回までに5失点。ただでさえ不調な攻撃陣にとって序盤の大劣勢をはね返す力はなかった。

 零敗は今季5度目。先頭打者の出塁はわずか2度しかなかった。得点圏まで走者を進めた場面も2度だけ。首脳陣が揃って不調と判断した菅野相手に1番から4番までが無安打に終わった。

 「今は、みんながもがいている。ただ、こんな展開の試合でもファンの人たちは必死に応援してくれている。何とか応えられるように」

 和田監督が最後に発した敗戦の弁がむなしく響いた。最近3試合の総得点はわずか1。再び広島と並ぶ最下位へ落ちた。攻撃陣の奮起が逆襲のカギを握っていることは明確だ。梅雨入りを前に早くも和田阪神は厚い雲に覆われている。

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2015年5月20日のニュース