楽天・松井裕悔しい８Ｓ、あと１人から被弾…14戦目今季初失点

＜楽・ロ＞勝利に喜ぶ楽天ナインの横で、天を仰ぐ松井裕

パ・リーグ 楽天５－４ロッテ

（5月16日 コボスタ宮城）
　悔しさもまじる８セーブ目だ。楽天・松井裕がついに打たれた。２点リードの９回から登板し、２死から荻野に左越えソロを被弾。嶋の内角要求に反し、１４４キロの直球が外角に外れ、芯で捉えられた。球団新記録となる開幕１４試合連続無失点まであと１人のところで、今季初失点した。

　「ストレートの調子が悪かった。先輩たちに声をかけてもらい、勝ち試合にすることが僕の仕事と切り替えた」

　昨季はドラフト制後の高卒新人では最長となる７１回１／３被本塁打なしの記録を打ち立てるなど、１１６回を投げ、打たれた本塁打はわずか２本。奪三振率の高さに加え、被弾の少なさも１点を守り抜く役目の抑えに指名された理由の一つだった。

　その左腕が痛恨の一発を浴び、１点差に迫られた。続く清田に左前打を許したが、最後は鈴木を一直に抑え、リードを死守。勝利の瞬間、駆け寄ってきた嶋に「こういう時もある。気にするな」と肩を叩かれ、やっと表情を和らげた。

　今季３８試合目で８セーブは、シーズン１４３試合換算で３０個。１２年に青山が記録した球団最多の年間２２セーブを大きく上回るペースだ。大久保監督も「失点すると、もう１、２点取られてもおかしくない。チームに勝利をもたらしてくれた。立派なこと」と称賛した。

　「もうこれ以上やらない」。無失点記録が途絶えた守護神は試合後、闘志を再燃させた。新たな「０伝説」をつくり、最終回に立ちはだかる。