杉内4勝目&打ってもプロ14年目初V打!前回屈辱KO雪辱

[ 2015年5月17日 05:30 ]

<巨・ヤ>4回2死三塁、中前適時打を放つ巨人・杉内

セ・リーグ 巨人3-2ヤクルト

(5月16日 東京D)
 投げたミスは打って返す。巨人・杉内のバットには執念が宿っていた。プロ14年目で初の決勝打を放ち、試合を決めた。

 「すぐに(同点に)追いつかれてしまった。何とか食らいついてやろうと思った。うまい具合に当たってくれた」

 先制の直後に川端に同点2ランを浴び、迎えた4回。2死三塁、カウント2―2から外角に逃げるスライダーに両腕を伸ばした。中前に抜けた打球。原監督も「バットに当てる本能を持っている。(夢かと)目をこすりたくなるようなナイスバッティングだった」と絶賛の一打だった。

 本業ではないが「打席に立つ限りはヒットを打ちたい」と強くこだわる。野手のモデルのバットを使う投手が多い中、杉内はアドバイザリー契約を結ぶアシックス社のオリジナル。はじきの良いメープルを材料に選択する分、「手がしびれないように」とグリップに衝撃吸収テープを巻く。

 屈辱もバネとした。5日の広島戦(マツダ)でプロ最短の2/3回6失点KO。「悔しさを通り過ぎ、恥ずかしい」大失態だった。中3日の9日のDeNA戦(ハードオフ新潟)前、あえて打ち込まれた試合の映像を見て、気持ちを奮い立たせた。

 勝利への貪欲さを取り戻した左腕は、好打の後は粘った。6回には2死満塁のピンチを招いたが、最後は雄平をフルカウントから126キロ外角スライダーで右飛に仕留めた。6回7奪三振で4勝目。00年のシドニー五輪日本代表では同部屋にもなったヤクルト・石川との投げ合いを制した。

 「20歳の時から石川さんとは知り合いで、切磋琢磨(せっさたくま)でやってきた。久々に勝負ができて良かった」

 過去4度の月間MVPを獲得した5月。今年はやっと1勝のミスターメイは「5月以外も勝ちたいので頑張ります」と宣言した。

 ≪V打はプロ入り初≫杉内(巨)が4回に石川から決勝の適時安打。自身殊勲安打は13年9月14日広島戦で記録して以来4本目だが、V打となったのはプロ入り初めて。また、左投手からの打点はこれまでソフトバンク時代の09年5月25日ヤクルト戦で同じ石川からマークした1打点だけ。6年ぶりとなる左腕からの打点が自らの勝利をもたらした。なお、巨人の投手による勝利打点は4月11日ヤクルト戦の田口に次いで2人目。今季他球団では岩田(神)が5月5日中日戦で唯一記録している。

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