右打者7人並べたのに…阪神 1点も取れずまた大野にやられた

[ 2015年5月17日 05:30 ]

<中・神>8回1死一、二塁、狩野は遊ゴロ併殺に倒れる。投手・大野

セ・リーグ 阪神0-1中日

(5月16日 ナゴヤD)
 むなしい“1日Aクラス”となった。阪神は16日の中日戦(ナゴヤドーム)で今季4度目の零敗を喫し、4位転落。相手先発・大野の前に、今季最少タイとなる散発2安打に封じられ、連勝は3でストップした。これで今季、大野が先発した3試合は全敗。和田豊監督(52)は「恥ずかしいと思わないといけない」と言葉に怒気を含めた。

 3たび、やられた。散発2安打の零敗。三塁すら踏めず完封を許した。今季、中日・大野が先発した3試合は全敗。巨人・高木勇、ポレダ、広島・ジョンソンらに続き、大野も「天敵」になってしまった。敗軍の将は静かに冷たく言い放った。

 「同じ投手に何回もやられる傾向がある。チームとして、3回やられている投手がけっこういるので、我々は恥ずかしいと思わないといけない」

 あと一本が出ない。スコアレスで迎えた3回2死二塁は、西岡が凡退。1点を追う8回には無死一塁から俊介、関本の代打攻勢で1死一、二塁の同点機を演出も、トリを務めた代打の狩野が6―4―3の併殺に倒れた。土壇場9回にも2死一、二塁と粘ったが、マートンがセンターライナーに打ち取られジ・エンド。「(相手の球がコーナーに)決まったら決まったなりに狙っていかないと。そういう風に同じ投手に3回もやられているわけだから」。指揮官の口調も、おのずと辛らつになる。

 「やはり、過去2回やられている。そのまま、普通にやるわけにはいかないからね」。苦手とする左腕相手に、無策で対峙(たいじ)したわけではない。この日は左の福留をスタメンから外し、先発6番は2年ぶり2度目となる上本を抜てき。スタメン9人中7人の右打者を並べ、攻略を図った。だが、そんな左腕対策も空振り。これで、猛虎打線と大野の通算対戦成績は75打数10安打、打率・133。阪神戦の防御率は0・39となった。もはや、「天敵」以外の何物でもない。

 連勝が止まり、4位転落。“一線”も越えた。この日で首位・DeNAとのゲーム差は7に開いた。2リーグ分立後、過去5度のリーグ優勝のシーズンで、最大ゲーム差を跳ね返したのが64年の6・5。そのラインを、割った。とはいえ、まだ借金3。104試合を残す。「みんな必死にやっている。(能見が)セーフティーの構えをしたから必死とか、必死じゃないとかじゃなく。みんな塁に出ようと気持ちを入れてやっている」と指揮官。打線は水もの。打てなければ、仕方がない。この悔しさは、次の試合にぶつけるのみだ。

 ▽今季の阪神の天敵投手 2度以上対戦した先発投手で黒星を付けていないのは7人。この日3度目の対戦で2勝目を与えた大野(中)の防御率0・39、被打率・133はともに7人中トップの成績を誇る難敵だ。

 ≪首位と7差で「V確率0%」≫阪神が敗れ、首位のDeNAが勝ったため、両チームのゲーム差は今季最大の7となった。プロ野球の最大ゲーム差からの逆転優勝は63年西鉄(現西武)の14・5ゲーム。セでは08年巨人の13ゲームがあるが、阪神の過去5度(62、64、85、03、05年)のリーグ優勝で最大は、64年7月26日の時点で大洋(現DeNA)につけられた6・5ゲーム。7ゲーム差以上からの逆転優勝は未経験だ。

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2015年5月17日のニュース