原巨人「力及ばず…」屈辱終戦 リーグ優勝CS敗退は唯一2度目

[ 2014年10月19日 05:30 ]

<巨・神>9回1死一塁、阿部(右)が三振に倒れベンチの原監督も厳しい表情

セ・リーグCSファイナルS第4戦 巨人4-8阪神

(10月18日 東京D)
 巨人・原監督は敗戦の瞬間、すぐにグラウンドに背を向けた。球団創設80周年。唯一にして、最大の目標だった日本一奪回への道のりは宿敵に4連敗を喫し、早々と幕を閉じた。潔い言葉の裏に悔しさをにじませた。

 「一試合、一試合、死力を尽くして全力で戦ってきましたけど、力及ばずというところで、こういう結果になった。投打のバランスという点でタイガースが上回っていた。我が軍はうまくかみ合わなかった」

 崖っ縁で迎えた第4戦。原監督は試合前のミーティングで「(ここから)長丁場になる」と選手に声を掛け、士気を高めた。ところが、先発の小山が3発を浴びて2回途中6失点KOされ、序盤で追い込まれた。動いて局面を打開してきた今季を象徴するように、打順は4番・阿部を除き、前日から全員変更した。しかし、阪神を上回る13安打を放ちながら4点止まり。9回の代打・セペダ、坂本の2者連続ソロも焼け石に水だった。5打数無安打に終わった阿部は「力のなさを感じた。リーグ3連覇はできたけど最終目標には届かなかった」と唇をかんだ。

 リーグ3連覇を成し遂げたが、誤算続きのシーズン。投打に故障者が相次いだ。「危機管理というのは尽くしても、し尽くせない」と話す原監督にとっても想定できなかったはずだ。打線では中軸の阿部、村田がシーズンを通じて不振。他球団のスコアラーは巨人打線を「速球に弱い傾向があった」と分析する。藤浪、メッセンジャーら球威がある投手を短期決戦で攻略できなかった。慢性的な得点力不足が解消されない上、チームトップの12勝を挙げた菅野や大竹を故障で欠き、先発も駒が足りなかった。シーズン中の先手を取り、接戦を粘り強く拾っていく勝ち方もできなかった。

 リーグ制覇しながらCSで敗退するのは07年以来。優勝チームに1勝のアドバンテージが与えられた08年以降での敗退は初めての屈辱だった。試合後、原監督は全選手を前に「セ・リーグ3連覇は胸を張っていい。あすから2015年度のスタートだ」と伝えた。リーグ4連覇、3年ぶりの日本一奪回。その前に投打に土台からつくり直す必要がある。

 ▼巨人・村田 これを反省として一つの糧にして、あしたから2015年に向けて踏み出せれば。

 ≪巨人唯一2度目≫巨人が4連敗を喫し、ファイナルS敗退。3年連続の日本シリーズ進出を逃した。リーグ優勝したチームがCSのファイナルSで敗退したのは07年巨人、10年ソフトバンクに次ぎ3度目。巨人が両リーグで唯一2度目の屈辱となった。打線は4試合で6本塁打と阪神の4本を上回ったが、走者得点圏では28打数3安打の打率.107。適時打は第3戦の阿部の1本のみとつながりを欠いた。投手では、先発の防御率が8.31と誤算だった。

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2014年10月19日のニュース