ロッテ 桐光・松井を1位指名へ 伊東監督「欲しいのは左」

[ 2013年10月11日 06:00 ]

ロッテがスカウト会議で1位指名を決定した桐光学園・松井

 ロッテは10日、QVCマリンでドラフト戦略会議を開き、24日のドラフト会議で桐光学園の松井裕樹投手(17)を1位指名する方針を固めた。伊東勤監督(51)が即戦力の先発投手として高く評価。メッツ・松坂大輔投手(33)や楽天・田中将大投手(24)らの名前を挙げて、1年目からローテーション入りは可能とした。今季は先発投手の駒不足が響いてシーズンは3位で終了。競合覚悟で「ドクターK」を獲りにいく。

 伊東監督の松井への評価は一貫していた。初めてスカウト会議に出席し、3時間以上かけて上位指名候補選手の映像をチェック。昨夏の甲子園では1試合22奪三振をマークした高校球界No・1投手の投球は、どの選手よりも輝いて見えた。

 「1位は現状では即戦力の投手だね。各球団から高く評価されている投手。ぜひ一緒にやりたい」

 会議ではJR東日本・吉田一将や九州共立大・大瀬良大地といった注目の投手も話題に上がったが「(その2人は)右でしょ。僕が欲しいのは左だから」。ラブコールを送った相手は松井であるのは明らか。事実上の1位指名公言といえる。

 今季は先発陣に故障者が続出し、駒不足は深刻だった。特に左腕は、軸になるはずのエース・成瀬が左肩痛で長期離脱し、11年のドラフト1位・藤岡も伸び悩み、中継ぎに転向した。3位でAクラスを確保したが、来季のリーグ優勝のためには先発投手を最優先の補強ポイントとしている。

 松井については即戦力よりも、将来性を高く評価する球団が多い。だが、伊東監督は1年目からローテーションの一角を担えるだけの能力があると判断した。「最近は高卒でも活躍する時代」と言うように、昨年のドラフトで競合の末に獲得できなかった阪神の高卒1年目ルーキー・藤浪は10勝をマークした。「あのタイプは先発でいける。松坂(メッツ)や田中(楽天)、涌井(西武)もそうやろ」。西武の監督だった04年のドラフトでは横浜高の涌井を1位で単独指名。1年目からローテーション入りさせ、エースに育て上げた。現役時代は松坂の女房役として、その能力を自らのミットで感じた。松井も同等の力を持っていると評価している。

 類いまれなるスター性にも魅力を感じている。「話題性プラス実力もある、お客さんが呼べる選手というのは大事」と考える指揮官の方針にフロントも同調。林信平球団本部長は「監督の意向を最大限考慮する。(松井が)最有力候補であることは間違いない」とした。

 競合になった場合は、伊東監督が自らクジを引く予定。「引き当てる自信はない。くじ運がないからな」と話すが、ロッテは過去10年間で抽選は7戦5勝という「強運データ」も味方する。12日からは西武とのCSファーストSに臨むが、24日には来季を占う大勝負も控えている。

 ◆松井 裕樹(まつい・ゆうき)1995年(平7)10月30日、神奈川県生まれの17歳。小2から元石川サンダーボルトで野球を始め、山内中では青葉緑東シニアに所属し、3年時に全国大会優勝。桐光学園では1年春からベンチ入りし、同年秋からエース。2年夏の甲子園では1試合22奪三振、10連続奪三振の大会記録を樹立。遠投105メートル、1メートル74、75キロ。左投げ左打ち。

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