桧山、谷繁との“化かし合い”楽しみ「何とか打ち崩したいね」

[ 2013年9月10日 07:47 ]

 今季限りでの引退を表明している阪神・桧山進次郎外野手(44)が、10日からレギュラーシーズンでは最後となる甲子園での中日戦に臨む。初戦の相手先発投手は川上。「竜のエース」と「虎の4番」として、そして「代打の神様」となって以降も名勝負を繰り広げてきた好敵手だ。対戦が実現すれば08年以来。「憲伸は投げるの?」と報道陣に問いかけるあたり、さぞ楽しみに…と思いきや、神様の視点はそれだけではなかった。

 「谷繁という名捕手がいるからね。どちらかというと、そっちの方が楽しみ。真剣勝負の中にも楽しみがあるから」

 本当に対決したい相手は、12月に43歳となる名捕手だった。扇の要。精神的支柱。陰の監督―。どの言葉もふさわしい1学年下の強敵と、聖地でのラストマッチが幕を開ける。シ烈な優勝争いで心身を削られながらも、谷繁との化かし合いは、どこか楽しかった。勝負どころで打ったことはもちろん、抑えられたことも胸に刻み込まれている。「何とか打ち崩したいね」―。思い出、と一言で片付けられない濃密な日々。もちろん、打って終わるつもりでいる。

 先の甲子園3連戦で、首位・巨人に1勝2敗と負け越した。ゲーム差は今季最大の「10」。ただ3位以下との差も大きく開いているため、モチベーションを保ちにくい部分はある。その中で、代打の神様に野球の神様が用意した、心躍る舞台だ。

 「会って、いろいろ話したいと思う。(今まで)ありがとう、とか」

 それでも感慨に浸るのはプレーボールがかかるまでにする。中日は現在4位とはいえ、3位・広島にたった2差。CSファーストステージで激突する可能性も大いにあるのだ。引退会見で語った、日本一という「忘れ物」を取りに戻るため―。CS前哨戦とも言えるこの3連戦で、谷繁もろとも完膚なきまでに叩きのめす。

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2013年9月10日のニュース