イチ 逆転POへ足攻!13年連続20盗塁からサヨナラ

[ 2013年9月10日 06:00 ]

<ヤンキース・レッドソックス>9回、相手投手の暴投でサヨナラの生還をし、ナインに迎えられるヤンキースのイチロー(中央)

ア・リーグ ヤンキース4-3レッドソックス

(9月8日 ニューヨーク)
 ヤンキースのイチロー外野手(39)が8日(日本時間9日)、レッドソックス戦に「1番・右翼」で出場。同点の9回に今季30度目のマルチ安打となる中前打で出塁すると、大リーグ移籍から13年連続でのシーズン20盗塁となる二盗を決め、最後はサヨナラのホームを踏んだ。イチローの脚力で4―3で勝利したチームは連敗を3で止め、ワイルドカード争いでもプレーオフ進出圏内の2位に2・5ゲーム差に踏みとどまった。

 9回2死三塁。3番ソリアーノへの初球が捕手のミットをかすめてバックネット前へ転がると、三塁走者のイチローは滑り込むこともなく、悠々と本塁を駆け抜けた。暴投でのサヨナラ勝ち。宿敵レッドソックス相手の4連戦4連敗を免れた。ナインと控えめながら勝利のハイタッチを交わし、クラブハウスに引き揚げようとしたイチローに、地元テレビ局からヒーローインタビューの指名がかかった。

 「(暴投を)見てから走ればいいので特別なことはしていません」

 笑顔を浮かべて答えるイチローの後ろで、チャンスをうかがう選手がいた。ガードナーだ。ヤ軍ではヒーローインタビュー中に、タンクに入った大量のスポーツドリンクを頭から掛けるのが習わし。しかしイチローがバットとグラブを手に持っていたため、ガードナーは「断念」した。

 「道具を持っていて良かった。(本塁生還は)サヨナラホームランではない。あんなんでやられたら格好悪いわ」

 試合後は淡々と話したイチローだったが、その足で呼び込んだ勝利だった。9回1死で打席に立つと、2球で追い込まれたが、3球目のカーブを中前に運び、次打者ウェルズの5球目に二盗に成功。「(相手投手の)あのモーションならいける。(走るときは)バッターを見ないので、あれで(ウェルズに)振られるとつらい。でも、賭けた」と振り返った。

 この盗塁で、大リーグ史上20人目となる13度目のシーズン20盗塁を、大リーグ移籍から13年連続で記録。シーズン20本塁打を13度以上は過去に32人もいることから、その難しさが分かる。39歳シーズンでの20盗塁も史上11人目。さらにイチローはウェルズの右飛でタッチアップして三進。暴投での生還につなげた。

 残り19試合。ワイルドカード争いでも踏みとどまる勝利に、最後にイチローは「Huge(大きい)」と短い言葉で締めた。

 ≪史上20人目の13度目20盗塁≫イチローが9回に二盗を決め、13度目のシーズン20盗塁を達成。大リーグでは史上20人目で、現役では盗塁王3度で今季すでに22盗塁を記録しているピエール(マーリンズ)と2人のみの快挙となった。また、残り18試合で5盗塁すれば13度目の25盗塁となり、これは史上7人目の快挙となる。

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