巨人 桐光・松井1位指名回避も…先発陣整備が最重要

[ 2013年9月10日 06:00 ]

今秋ドラフトの1位候補として注目される松井

 巨人が今秋ドラフトで桐光学園の左腕・松井裕樹投手(3年)の1位指名を回避する可能性が出てきた。

 来季の課題に先発陣の強化が挙げられており、九州共立大の大瀬良大地(4年)ら即戦力投手を指名する可能性が急浮上。松井に対する高校No・1投手の高評価に変わりはないが、チーム事情を踏まえて最終決断する方針だ。巨人が松井回避となれば他球団のドラフト戦線にも大きな影響が出ることになる。

 高校生No・1左腕をめぐる各球団の動向に大きな影響を与えそうな、巨人のドラフト戦略変更の可能性が浮上した。松井は8日に台湾で行われた18Uワールドカップ決勝に先発し、米国に敗戦。巨人のスカウト陣も視察していたが、球団幹部の一人はこの日「まだまだ、定まっていない。いろいろな可能性がある。台湾の報告もあったけどね」と話し、1位指名が流動的であることを示唆した。

 巨人は1月9日の今年最初のスカウト会議で、松井を1位指名候補としてリストアップ。7月の神奈川大会でも22日の5回戦、横浜高に敗れた25日の準々決勝と2戦続けて原沢敦球団代表兼GMが視察するなど密着マークを続けてきた。同代表はその際にも「依然として1位候補であることには変わらない」と発言。高校生投手としての評価は最高ランクだが、チーム事情がドラフト戦略再考の要因となった。

 今季はルーキー菅野の12勝を筆頭に内海、杉内が11勝をマーク。しかし、その他の先発陣が精彩を欠いている。開幕投手を務めた3年目右腕・宮国は不振でローテーションを外れるなど5勝6敗。ホールトンも5勝4敗で、4勝9敗の沢村はここにきて中継ぎへ配置転換となった。リーグ連覇は目前だが、来季に向けて先発陣の整備は最重要課題。そこで将来性が魅力的な松井を評価する一方、即戦力となる大学、社会人投手獲得の必要性が高まっている。

 即戦力として1位候補にリストアップされる投手も、松井に劣らず競合必至の逸材ぞろいである。大学生では九州共立大の152キロ右腕・大瀬良を筆頭に、1メートル88の長身から最速149キロを投じる右腕の国学院大・杉浦。社会人では2年連続で都市対抗野球準優勝に貢献したJR東日本の1メートル91の長身右腕・吉田の名前が挙がっている。

 巨人は今月下旬にスカウト会議を行う予定だが「(ドラフト会議)直前まで模索することになるだろう」と球団幹部。運命の日となる10・24ドラフト会議を前に、巨人は大きな決断を迫られる。

続きを表示

2013年9月10日のニュース