「ウル虎の夏」快幕!西岡、石川撃ちで猛虎打線に着火

[ 2013年5月4日 06:00 ]

<神・ヤ>2回無死一、二塁、西岡は中前打を放つ(投手・石川)

セ・リーグ 阪神14-3ヤクルト

(5月3日 甲子園)
 阪神・西岡剛内野手(28)が3日のヤクルト戦(甲子園)で3安打し、ともにチーム今季最多となる先発全員の19安打14得点の大勝へと導いた。球団企画「ウル虎の夏」で7月末から着用する限定ユニホームに特別に袖を通し挑む今回の3連戦。その名のごとく、圧倒的な力で苦手のヤクルト左腕・石川を攻略した。金曜日も6戦全勝。5月反攻へ猛虎が再び、走り始める。
【試合結果】

 火の出るような弾道―。その言葉どおり、西岡が猛虎打線へ着火した。1点を先制された直後の攻撃。並々ならぬ闘争心を胸に右打席から左翼線二塁打を放ち、猛虎ナインの士気を高めた。

 「先制点を取られた裏の攻撃。長打が出て、得点しやすい状況になったのは良かった」

 1ストライクからの2球目、内側に入ってくるスライダーを引っ張り込む。体は一切開かない。その分、白球はラインの右側フェアゾーンで弾んだ。石川には3月30日の第2戦で初回の1失点、いわゆる「スミ1」で敗れるなど今季2試合15回2/3で1点しか奪えていない。苦手意識を振り払い、一気に反撃態勢を整えるには十分すぎる一振りだった。

 「石川はリードされると、投球術も球種もあって、焦って打たされる。西岡の二塁打が出て、流れを引き寄せてくれた。先頭が出る、出ないでは大きく違う。あの二塁打が大きかった」

 和田監督の口からも止めどなく称賛の言葉があふれ出る。勇気をもらった猛虎はすぐさま2点を奪い返し逆転に成功。ここまでセ・リーグ防御率3位を誇っていた天敵を2回途中KOに成功した。

 「(安打は)出るときは出るし、出ないときは出ない。結果がすべて物を言う。13打席無安打の時も、自分では悪いとは思わなかった」

 2回は中前打で6連打6得点を演出し、5回は左打席で右前打。早々に今季5度目の猛打賞を記録し6回の守備からベンチに退く余裕も見せた。

 「最近は連勝もないけど、連敗もない。切り替わっているしね。大型連敗がないのが一番いい。でも、もっと(レベルの高い)上のチームを目指さないと」

 1、2番コンビを組む大和も3安打2四球で5出塁。「野球で2番打者が一番難しい。数字には表れていないけど、活躍は大きい。考えながらやると、もっとできるし、もっとすごい選手になる」。自身もロッテ時代に経験した打順だからこそわかる重要性。「話をしながら最強の1、2番を作り上げたい」と不敵な笑みを見せた。

 「“スランプ”や“不振脱出”とか、マスコミが勝手に書いただけでしょ?」。打率も3割台(・311)に戻した。頂点を極め、世界を知り、幾多の試練を乗り越えてきた元気印。余計な心配をするだけムダだ。

 ≪日米通算1000安打まであと2≫この日の3安打で、西岡は日米通算1000安打まで2本。球団営業部の関係者は「連盟表彰については日本での成績のみが評価されるため、表彰はありません。ただ、球団としては塁上で花束を渡そうとは考えています」と説明した。

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2013年5月4日のニュース