松坂 桑田氏から激励 同じ右肘手術から復活に「安心する」

[ 2013年3月23日 06:00 ]

<インディアンス・ブルワーズ>桑田真澄氏(右)とのインタビューの最中、手術した右ひじを見つめる松坂

 インディアンスとマイナー契約を結んでいる松坂大輔投手(32)が21日(日本時間22日)、ブルワーズ傘下2Aとの練習試合に先発。開幕ロースター(25人枠)漏れを通告された後の初めての登板で4回を2安打1失点に抑えた。憧れの存在で、師とあおぐ巨人、パイレーツなどで活躍した桑田真澄氏(44)が訪問。激励や技術的なアドバイスももらい、メジャー昇格に向けて再スタートを切った。

 5回表。勢いよく一塁ベンチを飛び出した松坂は、首脳陣に慌てて呼び止められた。62球を投げ、4回2安打1失点で終了。「見つかっちゃった」。そんな無邪気な表情でベンチに引き揚げた。

 「何も言われなかったので行けるかなと思ったら終わりだよって。でもそれぐらいまだまだ投げられる。長いイニングを投げても問題ないし、しっかり腕が振れていた」。開幕マイナーのショックなど一切ない。この日はおろしたばかりの滑る新球の影響でスライダーが曲がらず制球に苦労したが、最速は92マイル(約148キロ)で球威はあった。収穫も手にした。右打者へのチェンジアップとカーブはカウントを稼ぐのに有効だった。右肘のじん帯修復手術から復帰した昨季は「肘に負担がかかる怖さからなかなか使えなかった」という。何よりもうれしかったのが、桑田氏の訪問だった。PL学園で活躍していた時から憧れ、相談にも乗ってもらう間柄。試合後には毎回微調整したフォームなどの話で盛り上がり「細かい部分まで見える人なので、今の状態を見てほしかった。何が良くて悪いか、自分の思っていることと一致すればそうだなと思える。自分で気づかないことも気づいてもらえる」と感謝しきりだ。

 精神的にも楽になった。桑田氏も95年に右肘じん帯修復手術を行い、98年に16勝で完全復活。「この手術は時間がかかる。僕も2年目から良くなった。根気強く、粘り強く、新たな挑戦をしてほしい」と激励された。同じ手術をしたレッドソックス・田沢も術後2年目で復活。松坂は、今年6月で執刀からようやく2年がたつ。状態が完全に上向くのはこれからで「経験した人から言われると安心する」と笑った。一日も早いメジャー昇格――。桑田氏と交わした握手には、そんな誓いが込められていた。

 ▽桑田氏の右肘手術から復帰まで 95年5月24日の阪神戦でダイビングキャッチの際に右肘を負傷。同年6月15日の同戦を最後に戦線を離脱した。同年10月10日にロサンゼルスでフランク・ジョーブ博士の執刀による腱移植手術を受け、97年4月6日ヤクルト戦で661日ぶりに公式戦登板。この年は10勝を挙げ、翌98年に16勝をマークした。

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2013年3月23日のニュース